第三章 魔法のまち針

――――第三章 魔法のまち針


 恋美はあの魔法のまち針をそっと取り出して眺めていた。まち針には小さな説明書のようなものが付属していた。読んでみるとそこには想像を超えた説明が書かれていた。


☆魔法のまち針の効果☆

このまち針をあなたの大切な人に刺すと、あなたと大切な人は急激に距離を縮めることになるでしょう。

ルールは以下のとおりです。

・異性にしか効果がない

・刺した本人にしか見えない

・刺された人はその部位の痛みに襲われつづける

・刺された人は刺した人のことを好きでい続ける

・刺した本人が抜くか、刺された人に運命の人が現れると、針は自然に抜ける。それ以外の条件では折れたり抜けたりすることはない。

・本数が増えれば増えるほど効果は増す。

・永遠に魔法のまち針を使ったものは、その魔力の永遠の虜になる。


 恋美はその効果を読んで、心臓がドキドキした。人にまち針を…刺す……?本当にこんな魔法のようなことがあるのだろうか?でも、もし本当なら……。空くんに自分のことを好きになってもらえるかもしれない。そんな考えが頭から離れなくなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る