第19話

ピ、ピ、ピ、という規則的な電子音。

消毒の匂い。

自由に動かない体に走る鈍痛。

“あぁ、よかった”なんて泣いて喜ぶ声を他所に虚ろな意識の中、必死に探した。




湊は?湊はどこ?





「なんであたしだけ生き残っちゃったんだろ…?なんで神様はあたしと湊を一緒に連れてってくれなかったのかなぁ?」


堪らない、というように口を真一文字に結んだ湊の頬に触れる。


「…こんなにあったかいのに。」


あたしを包み込んでくれた優しい体温。


「…死んじゃったなんて…、嘘でしょ…っ?」


その言葉に弾かれたように顔を上げた湊は、あたしの右腕を力強く引き寄せ抱きすくめた。

耳にかかる湊の息は震えていた。

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