第4話
何一つ似ていない白銀色を代わりとしていると知った時も誰しもが首を捻ったことだろう。
少しでも近しい色ならばそれでいいからと手を伸ばす彼女は既に弱り切っていた。
皇王が思う太陽と零の関係性は紛れも無く溺愛の文字を描く兄と妹の様なもの。
叶也と零はどうだ。
何方かと言うと零は太陽と居る時間の方が長かったと思える。
何が切っ掛けで叶也の心情が変化していったのかは定かではないが、明らかに彼の方が先に彼女へとのめり込んでいった。
それを受けてから彼女は彼を手に入れ、そうして時を経る内に無くてはならない存在に変わって行っただろう。
彼女にとって彼は全てを与えてくれる唯一でありつまりは己の命を握る無二だったのだから。
「俺も、何となく嘗てと今は違う気がします。あの日からきっと彼女の中であの人の存在は変わった」
叶也はいつの日か零はどうしたらもっと己に堕ちてくるのだろうかと零していた。
十分だろうと返した声にまだ満足とは言えないと欲を張る彼は策を練り続けていたことだろう。
何度言おうとも、確かに彼女は唯一無二の彼に依存していた。
でもそれ以上に、彼の方が彼女の意識を奪いたがっていた。
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