第49話

通されたのはリビングだった。


大きなソファーがあって、大きなテレビも置いてあって。

大きな窓からは庭が見えた。

外からはわからなかったが、庭には沢山の花が植えてあり、広い庭を鮮やかに彩っていた。

オープンキッチンタイプなのか、リビングにいてもしっかりとキッチンが見えた。



「適当な所に座っておいて。俺、お茶取って来るから」



田端くんが冷蔵庫を開けるとお茶の入った瓶を取り出すのが見える。



(…レトルトがいっぱい…)



その際、ハンバーグやポテトサラダ。焼き鮭などのレトルトパックが見えた。

他にもキッチンの隅に置かれているゴミ箱には冷凍食品の袋や缶詰が捨てられているのが見えた。



「お茶、ほうじ茶でいいかな?」


「あ、うん。ありがとう」



お茶を二つ持って戻ってきたので、一先ずソファーの隅っこの方にちょこりと座る。

ふかふかだった。なにこれすごい。



「そんな隅に座ってないで、こっちおいでよ」



手招きされるが、私がぶんぶんと首を横に振った。

田端くんは少しおかしそうに私を見て笑うとずいっと体をこちらへ近づける。

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