第36話
「やっぱ最低かな、私」
ぼそりと呟く。
私の為に貴重な時間を浪費させたくないから、余計に誘えない。
そんなことより友達との楽しい時間を優先させてほしい。
でも、それはそれでかなり身勝手だ。
なんか田端くんと付き合ってからずっと似たようなことばかり考えている気がする。
「あのさ」
「ん?」
「アンタが何に悩んでいるのか知らないけど、そんな気負う必要ないんじゃないの?」
「……」
「別に結婚するとかそういう訳じゃないだからさ。
恋愛は戦争だけど、今後の人生決まるような重たい物でもないんだし、あんまぐだぐだ考えず、アンタの好きなように行動すれば?
それで相手が嫌だなって思ったらちゃんとアンタに言ってくるわよ。
行動しなきゃ相手がどう思ってるかなんてわかりっこないんだから」
「……確かに」
私はむくりと体を持ち上げる。
「ちょっと田端くん探してくる」
「おっ、話しかける気になったのね!?」
「偶然装って接触するわ」
「そこは自分から話しかけなさいよ!」
「無理。あの空間はマジで無理だから」
そう言い残すと私はさっさと教室を出る。
まず田端くんの教室を見に行って、案の定いなかったので別の場所を探しに行く。
色んな場所を見に行くが、みつからない。
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