第37話
「なに?すみれちゃん、まさか幸坂先生のこと気になるとか言っちゃう?」
「やめてやめて、違うよ。私のことはいいから、かっきーは彼女とどんな感じなの。C組の相川さん。」
彼の鋭い質問にびくりと肩が震えて、それをなかったことにするみたいに慌てて違う話題に切り替えた。
私がこんなにも釣り合わない気持ちを先生に向けていると知られてしまったら、いくらかっきーでも笑って済ませてはくれないだろう。
顔の前でひらひらと手を振ったのに合わせて、白衣の裾がゆらゆら揺れるのが目に入った。
「ああ、言ってなかったっけ。別れちゃった。なんかちょっと違ったんだよねえ。」
「ええまた!?早くない?この前一ヶ月記念日とかだったよね。今度の子は本当に好きだって言ってたじゃん。」
「うん、そうなんだけど。いつも付き合った時はこの子が好きだって思うんだ。その気持ちが長く続かないだけで。」
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