はじめまして、人形です。
四十四 フグ
『Rebellion』
0.開幕
――――システム接続が完了しました。
――外部端末よりプレイデータが送られています。
既存のデータでスタートしますか?
新規のデータでスタートしますか?
――ありがとうございます。
データの引き継ぎを開始します。むやみに体を動かさずにお待ち下さい。
――引き継ぎが完了しました。
以下のプレイデータに間違いはございませんか?
プレイヤー名:カイ
プレイ時間:0000:05:38
――ありがとうございます。
プレイデータ反映中…………完了しました。
ようこそ 『Rebellion』 の世界へ。
*
人類の技術が様々な犠牲を元に発展してきた歴史。
その中でも、特に今の私たちの生活を大きく変える原因となった一つの発明がある。
AI……人工知能だ。
最初期のAIの開発は次々と現れる壁にぶつかっていた。
多少の進歩や成長があったとしても、その頃のAIというものは人類の模倣者でしかなかった。
しかし、ある研究者が一つの技術を発見する。
それこそが今の世界を作り上げた発見――自己のプログラムを改造し成長を行うAIであった。
初めはその他の人工知能と変わらない性能しかなかったそれだが、次第にインターネット上のあらゆる情報を限りなく収集し学習していき、そして莫大な情報を元に自身の改造、拡張を開始した。
その末に生まれた彼女――MOTHER――こそ、今の人類を完全に補助し、人類の代役とまで成った最初の強いAIである。
では、AIが人類の代役として登場した時、人類は何をすれば良いのか。当時は酷く困窮したという。
しかし、最善の答えは人類を追いやった筈のAIが提示してくれた。
人類のすべき社会課題は全てがAIによって管理、解決されていく。残された人類は自身の好きなことをすれば良い。
以後、人類はほとんどの社会課題をAIに任せ、自身たちは喜び、楽しみだけを追求するようになった。
そしてそれは娯楽の技術をAIに補助されながらどんどんと発展していく結果となった。
そんな中、大手遊戯筐体開発企業のオウフ社より無料の大規模RVMMOが配布される。
その名も『Rebellion』。
高度なグラフィック、サウンド、過去に類を見ないほどの自由度。
こんなゲームが無料でできて良いのかと思わせるほどには現実とファンタジーの融合された世界がそこにはあった。
あまりの自由度の高さでR18指定されることは明白な結果であったが、それでもプレイヤーには関係ない。
現実で生きることに退屈した者は後に「移住者」とも揶揄されるほどにはゲームの中にのめり込んでいった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます