第20話

男は抱き抱えたままドカッ、と布団の上に私を抱き抱え、向かい合うようにして腰を下ろすと、肩に顔をコツンと置くと低い声で言う。


「また、他の男の匂いがするね」


 肩に顔を乗せたまま私の顔色を伺うように顔をそのまま横にして向けてくると疑われているのがよく分かり、思ってることを口に出す。


「ただ、話しただけです」


「ふーん、話しただけね。楽しかった?」


 明らかな不満をぶつける彼に、当たりざわりのない回答をしたつもりだったが、良くなかった。


「友達と話すことは楽しい、ですよ」


「へえ、男女の友情ね。おめでたいね、いつになったら恋人に発展するのかな」


 本当のことを口にしているのに、ワンルームの部屋で互いの呼吸音が酷く大きく聞こえ、嘘をついたら直ぐにバレてしまう、見透かされてしまうような、この空間から逃げくなってしまう。


「お兄さん……私、そんなつもりじゃ」


 男を落ち着かせようとするが、彼は酷くリラックスした表情を浮かべ、私を試すように一言添える。


「ね、怒ってるんだけど、分からない?」


 謝ることしか出来なくて、言葉に詰まってしまう私がいる。


「お兄さん……ごめんなさい」

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