第11話
まだ到着していないけれど赤信号で車が止まる瞬間、男の視線がこちらに向いている気がして不安で仕方がなかった。
本当に車が学校に着いた瞬間に、ドアの鍵が運転席からのロック解除でカチッ、と開かれると同時にカバンを抱き抱えたまま車から逃げるように飛び出ると腕を後ろから掴まれて振り返らず目をぎゅ、と瞑る。
「帰りは、迎えを寄越すから」
そう男は淡々と告げると、掴んでいた腕を離してくれて私は学校の門を潜り、ただ人が流れる方向と同じ道へ逃げるように歩いた。
だが、そのせいで突然目の前で止まった誰かにより、その背中に突っ込んでしまい反射的に当たったおでこを抑えてから、目の前の人物に目を向ける。
「よっ、
大学サッカー部の爽やかなジャージ姿の彼が不思議そうに私を覗き込んで来る。
「あッ……
咄嗟にそう答えながら、もしかしてと思い後ろを振り返ったけれど、もう男の車はなくて安堵して胸を撫で下ろす。
「なあ、お前、何かあっただろ? いつもなら『よる、じゃなくて、よよ、だよ』って言い返して来る癖に、何かあったなら話でもなんでも頼ってくれたら俺が何がなんでもお前をま……」
「要に話しても意味無いのッ!」
心配そうにしてくれる彼だったが、逃げるように、自分勝手な言葉を発してしまったせいで彼の言葉が途切れる。
「あっ……ごめん……そんなつもりじゃ」
謝罪したけれど、もう遅くて、目の前の彼が怒ったように眉間を縮め、私の腕を掴んで校舎裏まで私を引っ張った。
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