第6話
お兄さんは夜働いて眠いはずなのに、必ずと言ってもいいほど私をお世話してくれる。
ああ、どうしよう……まだ眠い。
そう思った瞬間、全て予想していたようにコンコン、といった音の後に一言、釘を刺す用に告げられる。
「トイレで、寝ないでね」
数秒なのに、目を瞑ることを諦めて、顔を洗い歯を磨いてから部屋に戻る、と綺麗に凝った朝ごはんが並べられていた。
具材が多く入った味噌汁に、少量のご飯に食後のフルーツのシャインマスカット。
「ありがとうございます」
そう言って、席につこうと畳に手を付いて座ろうとすると、男は元いた場所からズレて私が座ろうとした場所に腰を下ろした。
「おいで」
嫌だ、と無言の目線を向ける。
だけれど男の力に叶うはずもなく抵抗する術も与えられず膝の間に座らされ後から満足気な雰囲気が漂う。
作ってくれるのは、とても有難いが、朝は食べるのは苦手だから抜きでいいとお願いしているのに許されなくて、何とか口に詰め込んでいく。
それでも普通にほっ、とするような優しい味に胸が暖かくなることも事実で感謝の気持ちでいっぱいだったのに、またあの言葉が発せられる。
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