パート5: 連携攻撃と苦戦

(来る!)


左手のダガー使いが、低い姿勢から蛇のように滑り込んできた!

速い! ゴブリンとは比べ物にならないスピードだ!


シュンッ!


鋭い軌道でダガーが喉元を狙ってくる!


(【パリィ】!)


咄嗟にサーベルで受け流す!

キィン! と軽い金属音。上手く逸らせた!

だが!


「!」


右手のショートソードの男が、俺がダガーに対処した隙を突いて、死角から斬りかかってきていた!


(しまった!)


完全に意識の外からの一撃!

もうパリィは間に合わない!


(盾!)


左腕の『強化カイトシールド』を無理やり割り込ませる!


ガギンッ!!


「ぐっ…!」


盾が激しい衝撃を受け、腕が痺れる!

ショートソードの斬撃は防いだが、体勢が大きく崩れた!


(こいつら…連携が上手すぎる!)


一人が注意を引きつけ、もう一人が確実に仕留めに来る。

単純だけど、練度が高い。


ダガー使いが、体勢を立て直した俺に再び襲いかかる!

連続で突き出されるダガーを、必死にサーベルで弾き、盾で防ぐ!


カン! カン! ガッ!


(くそっ、速すぎて反撃できない!)


【パリィ】を狙おうにも、攻撃が速すぎてタイミングを合わせるのが難しい!

たまに成功しても、すぐにショートソードの男の追撃が来るから、反撃の隙がない!


(こいつら、俺を殺す気じゃなくて、無力化しようとしてる…?)


攻撃は的確に、鎧の隙間や急所を狙ってくるが、どこか手加減されているような気もする。

まるで、生け捕りにしようとしているような…?


(なんでだ!? 俺に何の用が!?)


疑問は尽きないが、考えている暇はない!


ショートソードの男が、今度は大きく踏み込んできた!

狙いは足か!?


(させない!)


サーベルで斬り払おうとするが、男はそれを読んでいたかのように、フェイントを混ぜてきた!

剣の軌道が変わり、俺の胴体を狙う!


(やばい!)


避けきれない!

咄嗟に体を捻るが、浅く脇腹を斬られた!


ザシュッ!


「うぐっ…!」


『硬化レザーアーマー』のおかげで致命傷にはならなかったが、鋭い痛みが走る!

HPが削られる感覚!


(まずい…! 防戦一方だ!)


新しい装備と【パリィ】があっても、手練れの二人連携には押し切られそうだ!

窪地に誘い込んだのは良かったけど、このままじゃジリ貧だ!


(どうする…? SPを使うか? でも、何に使う!?)


回復しても、攻撃を防ぎきれなければ意味がない!

攻撃力を上げても、当たらなければ意味がない!


(何か…何か打開策は…!)


ダガーとショートソードの relentless な攻撃が、俺を少しずつ、しかし確実に追い詰めていく。

額に、嫌な汗が滲み出てきた。

このままじゃ、本当にまずい…!

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