第2話




「ラーメン食いに行くぞ」




元彼の雪ちゃんは、なぜか、別れてからの方が頻繁に私に会いに来る。




「…私ラーメンの気分じゃない」



「は?コトリの分際で気分とか無いだろ。何言ってんの?」



「何言ってんのはこっちのセリフなんですが」




ご覧の通り恐ろしく横暴なこの男ーー残念ながら私の元彼である。



白にも見える銀色の髪の毛に、穴だらけの耳に、刺青に煙草。そりゃあもう一目でわかるやばい男だ。全身真っ黒な服でニット帽とマスクとメガネと手袋してる人くらいやばい。


ただし、そのやばいマスクとメガネの下には恐ろしく美しい顔がある。

透き通るような白い肌に、日本人のそれとは思えないグレーの瞳、腹立たしいほど長いまつ毛に高い鼻…ー私は別に面食いじゃないのでどうだって良いんだけど、この男はこの顔によって女を誑かす種類の人間なので、注意点としてここに記す。




「早くしろよ」



「短気すぎる…平成初期のギャルのスカートくらい短い…」



「お前うるさい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る