第9話 即落ち
みんなでお風呂に入ってさっぱりした後。
部屋の電気を消し、俺とアイナとラティカの3人は同じベッドの上に座っていた。
エルシーは空いているベッドの上にいる。
「なあ主殿、考えたのだが」
ベッドの上で、ラティカが口を開く。
「4人のうちエルシー殿だけ放置は不公平というものではないか?」
また急にとっぴなことを言い始めた。
「どういうこと?」
「これから我とアイナ殿と主殿がセックスをするわけだろう?」
「ああ」
「その中で、エルシー殿だけ仲間外れにするのはいかがなものかと思ってだな。我らは同じ奴隷仲間。ならば仲間外れはよくない。だからエルシー殿も主殿に抱いてもらえばいいと思う。4人でしよう」
「ええ……」
本当に何を言っているんだこのドラゴン。
「いや、それに関してはまずエルシーの意見を聞かないとダメだろ」
「エルシー殿が受け入れれば主殿としてはいいのか?」
「まあ……それは。うん」
ラティカの言葉に、俺は正直にうなずいた。
エルシーとそういう仲になる。
正直を言うと、それ自体は別に悪くない。
エルシーは美少女だ。
こういう美少女が乱れる姿を見たくないと言えば嘘になる。
それに俺は自他共に認める巨乳好きではあるが、別に小さいのが嫌いというわけではないのだ。
つまり俺としては、エルシーを抱くというのはありだった。
ありよりのありだ。
ありありだ。
というわけで、俺としてはむしろ歓迎したいことではあるが、エルシーとしてはどうだろう。
こういうのは大事なのは互いの同意だと思う。
彼女に尋ねてみると、エルシーはすまし顔で「かまいません」と答えた。
「わたくしは問題ありません。マスターが望むのであれば、わたくしはどのような行為でも行います。それは戦闘でも、雑事でも、労働でも、同衾でも、性行為でも。なんなりとお申し付けください。一応言っておきますが、義務感で申しているわけではありませんよ。マスターの願いをかなえることは、従者であるわたくし自身の喜びでもあります」
「つまり、オーケーということ?」
「はい」
エルシーはうなずいた。
しかし、彼女は続けて言う。
「しかし、あらかじめ言っておかなければいけないことがあります」
「なに?」
「わたくしはマスターの剣です」
「うん」
それは知っている。
エルシー自身が、今日なんども同じことを言っていたし。
「わたくしはそもそも戦闘用ホムンクルス。本来の用途は戦闘であり、戦いにしか快楽を見出さない戦闘兵器です」
急にぶっそうことを言うエルシー。
どういうことを言いたいのだろうか。
「エイト様により人間と同じように作られたため、もちろん性行為を行う器官こそありますし、行為自体には何の支障もありません。子供を産むことだって可能でしょう。しかし戦闘兵器であるわたくしは、性行為自体に性的快楽や喜びを見出すことはありません。マスターに求められるという精神的充足はありますが、肉体的には快楽を得られない……いわゆる不感症と言ってしまってもよいでしょう。申し訳ありませんが、マスターとの行為により快楽に悶えるといったような、マスターが期待するような反応はできないと先に申しておきます」
●
数時間後。
「あ! あ! マスター好き! 大好き! そこ好き! そこきもちいいですぅ!」
エルシーはめちゃくちゃ快楽に悶えていた。
期待する反応がそこにはあった。
何なら物の数分で彼女は落ちていた。
「マスター好き……大好き……!」
エルシーは俺がする行為すべてに笑ってしまうほど気持ちよさそうに悶えている。
何が不感症だ。
さっきの言葉はいったい何だったんだ。
「エルシー。君は性行為に快楽は見出さないんじゃ……」
「見出さない! けど、いまだけは別なの……!」
「どういうことなんだよ」
「わ、わかんない! なにいってんのかわかんにゃい!」
エルシーは大きな声で叫ぶ。
「もう。もうどうでもいい。いいから、続けて……!」
なんだか口調もさっきまでとは違うし。
どうやら与えられる快楽で頭が混乱しているようだ。
そうして続けているうちに、エルシーは疲れ果てて眠ってしまった。
眠ったというより、気絶した。
そういえばアイナやラティカとの初めての時もこんな感じだったな。
まあ、アイナと最初にしたときは、俺も加減がわかってなくて、気絶した後もやり続けて無理やり目覚めさせてしまったが。
さすがに経験を積んだ今、そんなことはしない。
ちなみに、当のアイナやラティカはベッドの上で疲れて寝ていた。
エルシーと行為を始めるまでは、彼女たちと存分に楽しんでいた。
今はエルシーとしているので、彼女たちは休憩中である。
「主殿……」
ラティカの小さい声が聞こえてくる。
「あ。ラティカ。目が覚めたんだね」
「エルシー殿としていたのか」
ちらりとラティカは俺の横で寝ているエルシーを見て言う。
「気絶したか……。どうやらエルシー殿も主殿の洗礼を受けたようだな」
「洗礼って、そんな大げさな」
彼女の言い草に苦笑する。
「決して大げさなことではないぞ。主殿と夜を共に過ごすということは、そういうものなのだ」
「もしかして、俺ってやりすぎ?」
これまでの所業を振り返り、少し反省する。
「やりすぎかどうかでいえば、やりすぎではあるが。たまに気絶してもまだ許してくれずにそのまま続けることもあるし……。しかもその快楽で目覚めてまた気絶するまですることになるし……。しかし嫌ではないぞ? 我もアイナ殿も、積極的な主殿を求めていることは否定しないからな」
「ええと……つまり今のままでいいってことか?」
「ああ。今のままでいい。だがちょこーっと、負担を減らせられれば儲けものというか」
「だからエルシーを誘ったのか」
ラティカのたくらみに気づいて嘆息する。
まあ、毎日気絶するまでというのは確かに負担も大きいだろう。
「ふはは。そういう面もなくはない。だが、遅かれ早かれエルシーも主殿に抱かれていたとは思うぞ。我はその手間をなくしただけだ」
「ほんとに? 遅かれ早かれそうなってたかな?」
「当たり前だろう。我ら3人毎夜毎晩抱き合っているのだぞ? 1人だけ仲間外れになると疎外感が生まれてしまう。そもそもエルシー殿も主殿に好意を抱いていたことだしな。いずれエルシー殿は自分から主殿に抱かれていただろう」
「そういうものか……」
ベッドの上に寝転がりながら、ラティカの言葉にうなずく。
とはいえ、いずれこうなっていたなんていうIFの話はすればきりがない。
ラティカと少し話した後、俺は眠ることにした。
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