第12話 アイナを冒険者にする
「さて、アイナには冒険者になって俺と一緒に戦ってもらう」
「かしこまりました」
ご飯を食べて元気になったところで、俺達は宿を出た。
そして今は冒険者ギルドの方へと向かっている。
俺はアイナを冒険者にして、一緒にパーティを組むことに決めた。
戦力的には特に必要はないのだが、彼女を部屋に遊ばせておく必要もない。
アイナが一緒にいてくれるなら、なにか助けになるだろう。
それにアイナは優れたスキルを持っている。
彼女のスキルは『剣姫』。
Bランクの戦闘系スキルだ。
Bランクは1万人に1人しかいないと言われるすごいスキルだ。
国から声がかかるほどの逸材だとも言われている。
『剣姫』は剣士系のスキルでも上位のスキル。
身体能力は高くなり、その剣技はたいていの他の剣士系のスキルでは太刀打ちできるものではない。
それほどまでに優れた力をもっている彼女を育てず奴隷にまで落としていたのは、国にとっても大きな損失だろう。
それもこれも、全て嫌悪の呪いのせいで彼女がまともに評価されてこなかったからだ。
嫌悪の呪いというものがどれだけ悪質なものかよくわかる。
ギルドについた俺達は受付へと行く。
いつものごとく、ミリアさんが対応してくれた。
「レースケさん。この方は?」
「この娘はアイナ。アイナと冒険者パーティを組むことにしたから、彼女を冒険者に登録してくれ」
「アイナと申します。冒険者への登録をお願いします」
「あ、あはは。昨日仲間について話したばかりなのに、もう連れて来たんですね。それもこんなかわいい子を」
ミリアさんがジトーっとした目でこちらを見る。
「可愛いというのは関係ないんじゃないのか?」
「そうですか?」
「冒険者にとって重要なのは強いとか役に立つとか、そういうことだと思うな」
「でも今から冒険者に登録するってことは、これまでは冒険者じゃなかったんですよね。強いなんてわからないじゃないですか。時々いるんですよね。自分の女を冒険者にしてパーティを組みたがる人」
「アイナは有力なスキルをもっているから、冒険者としてやっていけると判断しただけだ。変な邪推はするな」
「でもレースケさんの女なんでしょう?」
「それは否定しない」
「ご主人様……!」
俺の言葉を聞いて、アイナが頬を染める。
「ふふ。ふふふふ。私、ご主人様の女です。ふふふふ」
嬉しそうな笑顔が漏れていた。
その笑顔を見てミリアさんが引く。
「ご主人様……!? もう調教済ってことですか!?」
「そういうのじゃねーよ。彼女は俺の奴隷なんだ」
「そういうのじゃないですか!」
あれ。確かに。
「調教済の女の子の奴隷を冒険者にしようとしてるじゃないですか!」
「いや調教はしていないよ。ほんとうに」
ていうか女の子を調教するってどうするの?
そんな方法しらんのだけど。
「でも別におかしなことじゃないだろ。奴隷を冒険者にするってのはよくあることだって、俺は聞いたぞ」
この世界でこれまで冒険者として過ごす中で、冒険者の常識も一通り学んできた。
そして俺は奴隷の冒険者が珍しくない存在であることもよく知っている。
奴隷といっても用途はいろいろだ。
鉱山などで過酷な労働をさせたり、性的な奉仕をさせたり、家事などの仕事を任せたりする。
そして、戦闘タイプのスキルを持つ奴隷は冒険者として従事させる。
そういった冒険者と何度か話したこともある。
訓練場に出入りすれば顔見知りの冒険者も何人かできるからな。
「そうですけど、でも、仲間の話をしたとたんにこれだなんて。レースケさんは随分手が早いんですねっ」
「どうしてすぐそっちに持っていくんだ……」
「そ、そうです。それに、手が早いというのは誤解です。ご主人様は私にまだ手を出してはいません」
「……まだ?」
ミリアさんが再びジト目でこちらを見る。
「まだというのは?」
「そういったことは今夜させてくださると、今朝約束してくださいました」
アイナがどこか誇らしげに、そして素直に答えてしまう。
そこまで言わなくていいんだよ?
「レースケさん!?」
ミリアさんが悲鳴に似た声を上げてこちらを非難する。
「それ本当なんですか!?」
「…………まあ。手を出さないとは言ってないし」
それに可愛いし。
胸もデカいし。
手を出さないわけないよね。
「お、女たらし……!」
ミリアさんから非難めいた声が聞こえてくるが、スルーすることにした。
まあいいじゃん。
俺の奴隷なんだし。
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