第18話 財布二個持ちするのはめんどくさい
前回と同じ宿に着いたところで、宿の主人が慌てて出てきた。
堅守速攻に領主様から呼び出しがあったようだ。
ハーミットとクローディアはこのまま領主邸に向かうことになり、商業ギルドへのお供はガルルとセルジオにお願いする。
宿をとり軽く休憩した後、商業ギルドへ。
前回の反省でスマホのアラームをセットしておいたから三十分程の仮眠で済んだ。
商業ギルドで受付に向かい名前を告げると、前回の取引担当者がすごい勢いで駆け寄ってきた。
「ユーゴ様、お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
カウンターで取引した前回とは違い、商談ブースのような場所に案内される。
「私、ルスターと申します。ユーゴ様の専属担当になりました。今後とも宜しくお願いいたします」
前回とは雰囲気や対応が違う。名前も初めて聞いた。
初めての異世界の取り引きで細かいことに気が回らなかったが、冷静に考えれば名前すら名乗らないのはどうなんだろう。
昨今、訪日客の話で日本の接客は特殊だと言われているのは聞いたことがある。自分も一応は接客業なのもあり、日本並みの接客は求めていないが一連の対応は気にはなる。ハーミットも何も言わなかったし異世界では普通なのかもしれないが、正直印象はよくない。
「軍手の評判が殊の外よく…」
思ってた以上に軍手の評判がいいらしい。
もっと数がほしいとあちこちから突かれて困っていたようだ。
今回、ある程度の数は揃えてきたが、これ以上の数は難しいことと単価を上げることを話す。残念そうな表情を一瞬見せるが、手持ち分だけで構わないと交渉開始。
軍手は前回の倍、一組六銅貨(六百円)に値上げ。
上昇幅に少し驚いてはいたが、それでも安いので問題なく取り引き終了。
やはり前回は安すぎた。
後ろに控えていたガルルが満足そうに何度も頷いているのが視界の隅に入る。
近所にある働く男を三件回ってあるだけ買ってきた四十束、四百八十組
金貨二枚、大銀貨八枚、銀貨八枚の二十八万八千円也。
一気に金貨まで行った。元手が日本円の二万だから一四倍。
日本円に戻せないからこの比較は意味はないんだけどね。
「できればもう少し量があれば…」
「同じものは無いんですがこれなんかどうでしょう」
取り出したのはポッチなしの普通の軍手。
「滑り止めがない分お安くなっております」
「滑り止めなしですか…いかほど?」
「三銅貨で「買った!」どうでし…え?」
「その金額であるだけお願いします!」
「あ、ええ。これも四十束で、四百ですから」
「金貨一に大銀貨二ですね」
「あっはい、お願いします」
一束で二百円、四十束で八千円が十二万に化けた。とりあえず十分だな。
「引き続きのお取引は…」
「在庫が切れまして、しばらくは入荷の予定は無いので申し訳ありませんが」
働く男で大量買いしすぎて白い目で見られたし、しばらく行きたくない。
ホームセンターとか別の所で仕入れることもできるが、本業や
ラノベでは何気なく読んでいたが、実際やってみると日本と異世界の取り引きは価値観の違いや交渉に仕入れ、世界別のお金の管理と予想以上に大変で、物語のように簡単に大金をゲッツ!とはいかないことを実感した。
日本円換算の約四十万円也。
今のところポーションぐらいしか使い道が無いし、アーガスのお金はもう十分。
「そうですか……残念ですが、またありましたらよろしくお願いします」
ギルドの出口まで見送ってくれたが、表情が微妙に暗いのが気になった。
俺専用の担当になったらしいし、一気に取引拡大でも狙っていたのかな。
しばらく商業ギルドに来るのは避けておこう。
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ゲートキーパー〜副業は異世界の門の管理人〜 月野あかり @EnDolphin
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