第15話 閑話 マリとフェリス

ガラガラガラ。引き戸の玄関を開けてフェリスが帰って来る。


「ただいま」

「おかえりなさい」


フェリスは居間の畳の上にペタンと座り込み、台所にいるマリに問いかける。


「晩ごはん何?」

「角煮と揚げ茄子の煮浸し、きんぴらごぼうに卵焼きと味噌汁よ」


「ん、美味しそう。たのしみ」

「先に手を洗ってきてね」


洗面所に向かうために立ち上がったフェリスはポケットに入っているものに気づき台所のマリの前に出す。


「お土産」

「いちご大福じゃない。どうしたの?」


「ユーゴからもらった」

「優吾君かー、今度お礼しないとね」


「ん、もうしてある」


フェリスは気づいていない。

管理者して、この世界より長い時間を一人で過ごしてきた自分が、優吾とマリという初めて対等な相手を見つけて「他人と会話のある生活」を続けるうちに自分の中の価値観が大きく動いているのを。


知らない人から見たら姉と妹、いや年齢こそ合わないが母親と娘のように見えるだろう。


―――ただ甘えて幼児化しているとも言える



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※書ききれなかった設定の補足


本来のマリは、偽マリが一ノ瀬不動産を訪れた日に亡くなるはずでした。


電光石火に加入して2回目の探索中に世界の亀裂に落ち日本に転移しました。

巻き戻しで落ちる前の年齢に戻っています(七十八歳→十八歳)

マリの記憶はそのまま、アーザスは人々の記憶も含め全て六十年分戻りました。


転移した住宅はマリの希望で小田夫妻と楽しい思い出の一番多かった増築したすぐの状態まで巻き戻してあります。

水道や電気、ガスなどのインフラはフェリスのトンデモ魔法で日本と同じように使えるようになっています。(テレビ、ラジオ除く)

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