第11話 ポーションと肉串とフェリス教
そろそろ昼になるから集合場所の宿屋に戻る。
宿に戻ると俺達が一番遅かったらしく、みんなが手持ち無沙汰そうに待っていた。
結果が気になってたようなので今回の取引結果を報告すると
「ほらな、もっと高く売れると思ったんだよ。倍は余裕でいけるぞ」
とガルルが騒ぎ
「私はシャンプーを売るべきだと思うのよねー」
クローディアはシャンプーを売れと、しきりにアピールする。
「この後はどうするんだ?」
「ポーションを買うぐらいしか予定はないよ」
「そんなもん、そこらの薬局で普通に売ってるぞ」
このザイードは妖精の森が近いので薬草は潤沢にある。その薬草から作るポーションは簡単に買えるようだ。
「じゃあ、それ買ったら教会に行こうかな」
「教会?」
ハーミットが胡散臭そうに聞いてきた。
「フェリスにさ、話があるなら教会に来いって言われてるからちょっと行ってみようかと」
「それは本当の話なのか?」
やはりハーミットの様子がおかしい。
気になったから詳しく聞いてみると
この大陸最大の宗教であるフェリス教はフェリスを主神として崇める教会で、ほとんどの街にある。当然この街にもあるのだが、あまり評判はよろしくない。
「神に祈りが届いた者はフェリス様が救いを与える」が教義なのだが、何をするにも金銭の要求。効果がなかったとクレーム言おうものなら「信仰が足りないからだ」と返すだけ。
一部の信者以外は教会に行くことはあまりなく、そもそも神の存在すら信じている人は少ない。だからユーゴが「フェリスに頼まれた」と言ったときに驚いた。
なるほど、日本人の宗教観と同じような感じか。フェリスは実在するし他の異世界物のように神は特別な存在かと思ってた。
「しかしなー、フェリスが用事があるなら教会に来いと言ってたし、それ以外の連絡方法知らないんだよね」
「それは行くべきだな、行ったほうがいい、行こう!」
教会行きは、なぜかセルジオが乗り気だった。
商業ギルドで軍手が売れて荷物が減ったので、かさばるデイバッグから普段使っているユニ◯ロのラウンド型のミニバッグに切り替える。こいつは両手が使え、見た目の割に量が入るし安いので定期的に買い替えながら愛用している。
途中、屋台の肉串を昼食代わりに食べてみる。塩だけの味付けのサイコロステーキを串に刺しただけという感じだが意外と食える。
「食える」だけで美味いという程ではないが…
埼玉の豚肉なのに「やきとり」の地域で売っている辛味噌をつけると売れそうな気はするな。
腹が膨れたら本日二つ目の目標であるポーションの購入をこなすべく薬局に突入。
初級のポーションとキュアポーションが一本大銀貨五枚。日本円に換算すると一本五千円。思った以上に軍手が高値で売れたので、今回の売上からポーション一本とキュアポーションを二本買う。キュアポーションを二つにしたのは病気に効くらしいから。日本にいると怪我より病気のほうがお世話になる率高いもんね。
ここには他に中級ポーションもあったが一本金貨一枚、十万円也。
今は必要もないし今回は見送る。
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