第24話

『さっ帰るぞ!!』



終礼が終わると同時に晶が私の机の側へと駆け寄る。




『待って!!今日日直だったから…まだ黒板が…』



『…………』



晶が無言のまま後ろを振り返った。




『あっあ、晶!?』



私は晶が怒って、機嫌をそこねたのだと思った。




だが…







ーゴシッゴシゴシ…




晶の右手には黒板消し。





『ほら、消しとくから早く日直日誌、先生に出しに行ってこいよ!』



晶は黒板に顔をむけたまま、ぶっきらぼうにそれだけ言った。




『うん♪晶!!すぐ戻るからね!!』




私は日誌を抱きかかえ、小走りに職員室へと急いだ。




晶が部活がない日はとても珍しい。



だからだろう。



いつもより一秒でも長く一緒にいたい…



だから、晶は急いで黒板を手伝ってくれたんだ。




晶の優しさがすごく大切にされてるんだなって、いつも思い知らされてばかりいたんだ。

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