第5話

"ーピリリリリリリ♪"



「イヤッー…アン、ア、あき…ラ電話!!」



「うるせ。」



「アンアンアンー…イヤンッアァー」



突然鳴り響いた晶の携帯。



しかし、それに応じることなく晶は私を突き続けた。



"ーピリリリリリリ♪"



なおもしつこく鳴り響く着信音。



「ーチッ」



晶は半ギレ状態で通話ボタンを押した。



ーピッ



「もしもし?」




電話の相手なんて全く興味などない。



私は晶から体を離し、一人タバコに火をつけた。




「はっ?どーゆうことだよ?マジかよ!?」



狭い部屋にこだまする晶の声。


晶は何か驚いた様子で電話のやりとりを続けていた。




ーピッ



「電話終わった?」


フゥーっと長い煙りをはき出し、晶に尋ねる。



「おい!のん、すっげぇーことなってるぞ!!」



晶が驚いた顔をしたかと思うと、すぐにニヤリと、かすかに笑った。




「なーに?おもしろいことなら聞くよ」



私の人生なんておもしろいことなんて何もない。



おもしろいことは自分で作り上げるしかなかった。

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