第8話 予想外の逆転劇!闇の魔法と新たな試練
大会の第一ラウンドを突破したリリィたち。「フラワーフェイズ」は一瞬にして会場中の注目を集めた。だが、その一方で、これまで見せたことのないような不穏な雰囲気が、リリィたちを取り巻いていることに気づいていた。
「ねえ、みんな、なんか変じゃない?」ユリが周囲を見渡し、緊張した面持ちで言う。
「うん…なんだか気味が悪い。」エリスも眉をひそめる。
その時、突然、会場の大きなモニターが一斉に映像を切り替えた。映し出されたのは「ブラックスター(BLACKSTAR)」のユナが、インタビューに答えている場面だった。その顔には、これまでに見たこともない冷徹な笑みが浮かんでいる。
「…まさか、あの笑顔…」リリィは冷や汗をかきながら呟く。「あの子、何か仕掛けてきている?」
モニターに映し出されたユナは、少しだけ意地悪そうに微笑んだ。「フラワーフェイズ?あんな無名のグループが、どうしてここにいるのかしら。私たちの『力』を見せてあげるわ。」
その言葉に会場がどよめき、観客たちの間からざわつく声が聞こえてきた。「えっ?あの子たち、何かやばいことをしているのか?」
リリィたちはその言葉に強い不安を感じた。ユナの言葉が、ただの挑発に留まらない気がしたからだ。
「ちょっと待って。もしかして、彼女たち、何か魔法で不正をしてるんじゃ…?」サラが心配そうに言った。
その時、再び会場の照明が暗くなり、異常な静けさが広がった。
「やっぱり…」リリィが急に感じた予感に、心臓が早鐘のように高鳴る。
そして、突然、会場全体に異様な力がみなぎり、魔法の圧力が辺り一帯に広がった。観客たちが驚いて立ち上がり、ざわめきが広がる中、ステージの中央に異次元から現れたような巨大な影が浮かび上がった。それは、漆黒の影のような姿をした魔物で、その目は赤く輝き、まるで世界を飲み込むような圧倒的な力を放っていた。
「こ、これは…」ナナが震えた声で呟く。
「魔物!?まさか、あれが…ユナたちが放った魔物?」エリスが恐怖に満ちた表情で言った。
「そんな…私たちの試練のために、わざわざ魔物を呼び出すなんて…!」ユリが手を震わせながら呟く。
その魔物は、明らかに普通の試練とは違う、強力な闇の魔法が込められているようだった。そして、異次元から放たれたその魔物は、力を増し続けていた。
「ユナ、どうしてこんなことを…?」リリィが怒りを込めて言う。
「ふふ、驚かせてあげるつもりだったのよ。」突然、ユナの声が会場に響いた。「あなたたちの力じゃ、私たちには到底敵わない。魔物を使って、この試合を制するつもりよ。」
その瞬間、リリィは心を決めた。「負けられない。私たち、みんなで立ち向かうんだ!」
「絶対に負けない!」ユリが目を鋭くして言った。
「フラワーフェイズ!あなたたちにできるのは、もう少しだけよ。」ユナが冷笑を浮かべながら呟いた。
だが、リリィたちはその言葉に引き下がることはなかった。彼女たちは心を一つにし、再び魔法の歌を歌う準備を整える。
「私たちの力で、魔物を倒すんだ!」リリィが声を上げると、仲間たちがそれぞれ力強く頷く。
「私たちの歌には、仲間との絆がある。それがどんな魔物よりも強い!」サラが自信に満ちた声で言った。
「もう怖くない。どんな試練でも、みんなと一緒なら乗り越えられる!」ナナがしっかりとビートを刻みながら言った。
「さあ、行くよ!」エリスが歌いながら、魔法の力を引き出そうとする。
その瞬間、リリィたちの歌声が再びステージを包み込んだ。だが、今までのように魔法の力を引き出すだけでは足りない。彼女たちの歌には、ただの音楽以上の力が必要だった。
ユナの魔物は、リリィたちの歌に対抗し、闇の力を放ち続ける。その魔物が放った闇の波動は、周囲の空間をねじ曲げ、リリィたちの声をかき消そうとする。だが、リリィたちは負けなかった。心をひとつにした歌声が、魔物に立ち向かう力を与え、闇の波動を打ち破っていった。
「私たちの歌で…この闇を乗り越える!」
リリィの声が、最も強く、最も純粋な力を放つと、魔物の姿が次第に崩れていき、最終的に消え去った。
その瞬間、会場は静まり返り、次にリリィたちの歌声に満ちた空間が広がった。リリィたちは、力を振り絞り続け、最終的に魔物を完全に倒すことに成功した。
「やった!私たちの力で、勝った!」サラが歓声を上げる。
「でも…ユナたちはどうするんだ?」ユリが不安そうに言う。
その時、会場のスクリーンに再びユナが映し出された。彼女は不敵な笑みを浮かべ、言った。「これで終わりじゃない。私たちはまだ、あんたたちを超える力を持っている。次の試練、覚悟しておきなさい。」
その言葉にリリィたちは、心の中で新たな決意を固めた。「私たちは、もう負けない。」
次の試練が待っている。彼女たちの戦いは、今、最も熾烈なものとなる。
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