4. 未来のほうからやって来る

 インターホンのモニターに、誰かが映っている。まぁ、当然か。


 \ピッ♪/

「はい」

「あっ、ミーラーイーツで〜す」


 目深のキャップにスポーティな上下、ダンボールみたいなリュック。それが、ミーラーイーツ。


 でも、

 覚えがない。


「頼んでませんけど。人違いじゃないですか?」

「人違い……そうですか。これでも、そう、言えます、かね?」


 その人は


 キャップを外し


 人相を見せる。


 えっ……


「う、そ……」

「私です。です。迷惑……でしたかね?」


 え!?


 マ!?


 マママのマ、である。


「ううん、ちっとも迷惑なんかじゃない! 入って! 今開けるから!」


 私は考えるよりも先に玄関まで駆けた。逆さに転げたひと揃いのスニーカーを、いつもよりも右の方に寄せた。そして扉を、開けた。


 目の前には


 本当に


 その人が立っていた。


「ウナチッタ……来てくれて、嬉しい。でも、どういうこと?」


 そう。どういうこと? 実は私は、微睡の夢の中にいるとか?


「説明、するよ」


 ウナチッタは、ここがまるで自身の家であるかのようにてきぱきと、靴を脱ぎ揃えて、ウチに上がった。


 私たちはベッドに腰掛ける。


「えーっと……どういうこと、かな?」

「信じられないかもしれないけど、実は……」



 私は、全ての説明を受けた。

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