月にはウサギが住んでいる。🌙ムーンライト･セレナーデ🐰

第5話：シナモンが地球に留まった訳。

「私？・・・私はエッチに特化してるの、だからあらゆるテクニックを

熟知してるの・・・これは生まれながらね・・・しかも今、丁度発情期だし・・・

試してみる？光太」

「お嬢様、そう言うはしたないことを人前で言うから、旦那様や奥様から叱咤

されるんですよ」

「試してみる？って言った？」

「シナモン・・・そう言うことって母ちゃんがいない時に言ってくれる？」

「母親の前で、うんって言えないだろ？」

そう言いながら光太は、シナモンとのスケベな行為をしてる妄想をしてしまった。

「光太・・・私とエッチしたいんだよね？」

「いあ〜とんでもない・・・」

スケベな妄想をしていた光太の顔を見てジャージーウーリーが言った。

「お嬢様には人の心と未来が見えるんです・・・あまり卑猥なことを考えると見透かされますよ、光太様」

「うそ、まじで？・・・何もかもバレバレじゃん」

「大丈夫だよ・・・私が心を読めばの話だから、ずっとなんか心を読んでたら疲れちゃでしょ？」

「ああ、そうしてくれる・・・考えてること全部読まれちゃったら僕がどれだけ

スケベな男か暴露されちゃうから・・・」

「でも私、光太の明日もちゃんと見えてるよ」

「ってことで、明日は学校お休みしたほうがいいね」

「え？シナモン・・・なんで？」

「明日、光太が学校に行く途中、横断舗装を渡ってる、おばあちゃんと遭遇する

シーンが見えるの」

「それでね、大型トラックが信号無視の上、暴走して来てそのおばあちゃんを

轢き殺そうとした時、よせばいいのに、おばちゃんを助けに飛び出したおバカ

さんがいるの・・・」

そこまで言ってシナモンは光太を指差して言った。

「そのおバカさんって、光太のことだよ」

「うそ〜僕って、僕？・・・僕はそんな人を助けるような勇敢な男かな？」

「それに光太に死なれてもらったら私、困るの」

「なんで？」

「あのね、私がこの地球に残るって決めた理由・・・内緒って言ったでしょ？」

ああ・・・そんなこと言ってたね」

「ジャージーウーリーがいるからな〜どうしょうかな・・・ちょっと恥ずかしい

かも」

「私はなにを聞いてもクチが固いですから、お嬢様が大切にしてるお話は口外

したりはいたしませんよ」

「じゃ〜言っちゃうけど・・・私、この地球に残った理由って・・・光太にひと

目惚れしたからなの」

「ひと目惚れ？・・・僕に？・・・シナモンが？」

「そうだよ・・・私にとって、もっとも重要で大切ななことだからね」

「だから、光太にポックリいってもらっちゃ困るの」

「ああ・・そうなんだ・・・僕ってシナモンに愛されてる？」

「そ、愛する人の命は守らないとね」

「とりあえず、光太の向こう一ヶ月ぶんの未来は見たから」

「気をつけたらいいのは明日だけだよ」

「残りの月日に関しては今の所アクシデントに見舞われることはないと思う」

「まじで？・・・危なかったな・・・」

「じゃ〜明日はどこにもいかずに家にいよう〜」

「それも大事だけど、私の気持ちも大事にしてね、ちゃんと告白したんだから」

「それはもう・・・シナモンの告白を無下にはしないから、死んでも」

「だから、死なれたら困るんだってば」

「それに光太には1日でも多く私のそばにいてほしいし・・・」

「いるよ、僕はシナモンのそばに・・・シナモンが月に帰らないって言ってる理由

がはっきりしてよかったかな」

ジャージーウーリーが横からクチを挟んだ。

「お嬢様・・・よりによって人間とですか？」

「そうよ・・・いけない？」

「まあ、異種同士でもちゃんとセックスはできますからね」

「それだけのために恋人同士になるわけじゃないでしょ？」

「それにセックスじゃなくてエッチって言いなさいよ、そっちのほうが可愛いん

だから？」

「エッチもセックスもすることは同じですよ」

「あの、ふたりとも・・・なんでセックスの話してるのかな？」

「それは大事なことですからね・・・男女間において必要不可欠・・・できないって言うのは論外です・・・異種によっては生殖器の形が違う種族もいますから」

「ジャージーウーリー、すごく具体的だね」

「そういうのは、光太様とお嬢様が愛を育んで行くのに必要だからです」

「そうね、たしかにジャージーウーリーの言う通りね」

「じゃ〜さっそく試してみなくちゃ・・・光太とエッチできないと困るからね」

「私は光太とエッチしなきゃいけないって目的があるなから、用事のないジャージーウーリーは目的もなにもないんだから帰りなさいよ」

「なにを、おっしゃるウサギさん・・・おふたりのこれからの動向を見届けなくては、おいそれとは帰れません」

「うまく行っても、いかなくても・・・」

「ちゃんと入るわよ」

「入るって・・・下品な・・・お嬢様」

「あのさ・・・ずっと母ちゃんが聞き耳立ってるんだけど・・・複雑そうな顔で」

つづく。