病院

 三年ちょい癌と戦い続けて、今年に入ってからは肺炎で入院していた。毎日のようにお見舞いに行った。父さんは毎日、忙しい合間を縫って来ていたらしい。


 急変だった。最期に寄り添っていた父さん曰く、最後は支えてないと心拍数が60以下に下がる状態だったようだ。痛い、苦しいと言いながら最期まで母さんは頑張っていた。


 亡くなって数時間は、自分は泣き続けていた。妹も咽び泣いていた。父さんは滅多に泣かない人ではあるが、目を赤くして、悔しそうに俯いていた。


 程なくして、父さんは母さんの父親にあたる、自分からしたらじいちゃんを迎えに行った。日の出がまだ上がってない時間帯に。


 残された妹と自分は、現実か夢か分からない状態で母さんの思い出を泣きながら語り合っていた。


 じいちゃんが病室に来たのは、日の出が上がり始めた頃である。

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