第9章 – 新しい人生の始まり…それとも新たな災厄?

イーサンは早朝に目を覚ました。興奮と不安が入り混じる複雑な気持ち。今日は大学の初日。イリスやセリーヌの引き起こす混乱から少しでも離れられるチャンスだ。


だが、本当に混乱がついてこないとでも思っているのか?


イーサンは普通の大学生になろうとするが…?


長い準備を経て、彼はきちんとしたシャツを着て、真剣な眼差しで鏡を見る。

「今日から大学生活が始まる。模範的な学生になって、勉強に集中するんだ!」


深呼吸し、扉へ向かう…が、その瞬間、聞き覚えのある声がした。


イリスがソファに座り、足を組みながらリンゴをかじっている。

「あら、やっと出かける気になった? いつになったら家を出るのかと思ってたわ。」


イーサンは眉をひそめる。

「お前、何してる? 仕事は?」


イリスは欠伸をしながら答える。

「もちろんあるわ。でも、出発前にもう一度会いたくてね。」


そこへセリーヌが部屋に入ってきて、腕を組みながら微笑む。

「問題を起こさないようにね。あなた、災厄を引き寄せる才能があるんだから。」


イーサンはため息をつく。

「まるで母親みたいだな… ただ大学に行くだけだぞ? 戦場に行くわけじゃない!」


イリスはニヤリと笑う。

「まあ… 似たようなものかもね。」


出ようとした瞬間、イリスが突然立ちふさがる。

「イーサン… 大学で恋に落ちたりしないでよ? 変な女の子を連れて帰ってこられたら困るわ。」


セリーヌが小声で呟く。

「つまり、遊び相手を失いたくないってことね。」


イーサンは彼女を押しのける。

「行くぞ! もう気が変わる前に!」


こうして彼は家を出た… だが、大学にも混乱が待ち受けていることに気づいていなかった。



---


イリスはマフィアの仕事へ、セリーヌはその監視役


イーサンが大学生活に適応しようとする中、イリスはマフィアのボスとしての仕事に戻った。彼女のオフィスには書類が山積みされていたが、それには目もくれず、愛用のナイフを弄んでいた。


セリーヌは腕を組みながら冷静に言う。

「いつか本当に働くつもりはあるの? それともただの飾り?」


イリスは欠伸をしながら答える。

「私はボスよ。働くかどうかは私が決める。」


セリーヌは書類の山を指差す。

「組織のメンバーからの苦情が10件、敵対組織からの脅迫が5件、外交会談の招待が3件。」


イリスはそれを完全に無視し、ナイフを見つめる。

「見て、この新しいナイフ! すごく美しいでしょう?」


セリーヌは額を押さえてため息をつく。

「なぜこんな奴の監視役になったんだろう…」


すると、イリスが突然セリーヌの耳元で囁く。

「だって、私のこと好きなんでしょ?」


セリーヌの顔が赤くなり、素早くイリスを突き飛ばす。

「はぁ!? ふざけるな!」


イリスはニヤリと笑いながら囁く。

「でも否定はしないのね…?」



---


イーサンの大学生活… 話題はもちろん「女の子」


夕方、イーサンは新しい友人たちとカフェにいた。長い授業の後、皆リラックスして会話を楽しんでいた。


ジャックという名の男子がテーブルにもたれかかり、いたずらっぽく笑う。

「さて、重要な話題に入ろう… 女の子についてだ!」


イーサンは眉をひそめる。

「なんて古典的でくだらない話題だ…」


ルーカスという男子が笑いながら言う。

「逃げるなよ、イーサン! 彼女はいるのか?」


イーサンは飲み物を喉に詰まらせ、咳き込みながら手を振る。

「いるわけないだろ! そんな暇ないし。」


ジャックはニヤリと笑う。

「ふーん、じゃあ特別な子もいない?」


イーサンの脳裏に浮かぶイリスとセリーヌの姿。彼女たちが現れてから、彼の人生はめちゃくちゃになった。


少しの間沈黙した後、彼は小さく呟いた。

「…実は二人いる。」


全員が驚愕する。

「なにぃぃ!? 詳しく!!」


イーサンは深いため息をつく。

「一人は完全に狂ってて、もう一人はまともに見せかけてるけど、実際どっちも災厄そのものだ。」


ルーカスが笑う。

「お前、強い女が好きなんだな?」


イーサンはボソッと呟く。

「そういう問題じゃなくて… 逃げ場がないんだ。」


ジャックがウインクする。

「なるほどな。お前、知らない間にラブコメの主人公になってるぞ!」


イーサンはぼそりと呟く。

「ホラー映画の方が近いと思うけどな…」



---


イリスとセリーヌ、思わぬロマンチックな瞬間… かと思いきや?


ある夜、イリスとセリーヌはビルの屋上で夜景を眺めていた。


イリスは静かに呟く。

「たまに思うんだ… いつか普通の人生を送れるのかな?」


セリーヌは黙って彼女を見つめた後、優しく微笑む。

「あなたは… 私にとっては十分普通よ。」


イリスは驚いて彼女を見つめ、すぐにニヤリと笑う。

「あら、それって告白?」


セリーヌは顔を赤くしながらそっぽを向く。

「勘違いしないで。ただ… たまには悪くないってだけ。」


イリスがさらに近づいて囁く。

「じゃあ、ちょっとは私のこと好きってこと?」


セリーヌは急いで顔を背ける。

「夢でも見てなさい、バカ!」


イリスは笑いながらセリーヌの肩に頭を乗せる。セリーヌは動揺しながらも黙っていた。


「何があっても、君がいてくれて嬉しいよ。」


セリーヌの鼓動が早まるが、彼女は静かにその言葉を受け入れた。



---


終わり… しかし、嵐はまだ去らない!


イーサンの大学生活、イリスのマフィア経営、セリーヌの監視役生活—— それぞれの物語は続いていく。


だが、誰もが忘れている。


彼らの人生が「平穏」になるはずがないことを…


「次こそ、もっとヤバいことが起こる!」


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