夕風に押された小さな石が淡々と転がってくるのを岸辺でただ見ているしかない。そんな文章。 精神を病んだ男性の書いているものを拾い読みすると、たいてい、性悪女と結婚して、そして離婚している。 それを回顧する男性はみんな病んでいる。 やさしく病んでいる。 この世に生まれ落ちたのは、しあわせになって、さよならするため。 たったそれだけのことが上手くいかない。 普通の世界から弾かれるということ。 あまりにも辛いことが多すぎると心は死ぬが、それすら超えると、きっと漂白されたように白くなる。