2

side Riku











マンションの管理会社の人も来てくれ、大事にはならなかった






ただ……











「御免なさい……。」






マネージャー

「事前に教えて下されば……。」






「御免なさい……。」






『謝らないで良いから。

 梨沙もちょっと言い方考えて。』






マネージャー

「すいません。 稑、これからどうするの?」






『取り敢えず警察には話をしに行く。

 誰がこんな事したのか調べないと。』





















「大志だよ。」






『元彼の?』






「うん。 文字で分かる。 彼の字。」






マネージャー

「間違いないですか?」






「間違いないです。

 彼の事です、大金払って探偵でも雇ったんでしょう。

 彼と別れてから、約3年、ずっとそうだったから。」






『ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ……。』






「大丈夫っ? 本当に御免。」






『ほら……、また、謝って…ゴホッ……。』






マネージャー

「千紘さんは暫く在宅でお仕事して頂けますか?

 稑は主治医に言われた通り、安静に。


 私が代理人として警察に行って事情を話します。

 何かあったらすぐに連絡しますね。」






『有難う。』











*











あれから1週間が経った






あの日から、彼女から笑顔が消えた






俺を不安にさせまいと見せる笑顔は全て作り笑顔






全然上手く笑えていない






それを見ているだけで苦しかった











『無理して笑わなくて良いよ。』






「えっ……。」






『見てて辛い。

 それとこんな風にさせた元彼が憎い。』






「そんな風に思わせて御免ね。」






『またそうやって謝る。 御免禁止。』






「でも……。」






『でもじゃない。 分かった?』






「分かった。」






『あ、そうだ。

 今日ちょっとだけ調子が良いからさ……。』






「安静にしてなきゃ駄目だよ?」






『ちょっとだけ。

 俺もずっと家に居ても退屈だし、

 たまには外に出て、外の空気吸わないと

 2人揃って干からびちゃう(笑)』






「干からびるって……。」






『ちょっとだけドライブ行こう?』






「怒られない?」






『分かんない(笑)

 バレなきゃ大丈夫でしょ。』






「ちょっとだけだよ?」






『よしっ。

 じゃあ先行って車取ってくるから

 準備出来たら降りて来て。』






「分かった。」






















この時、彼女を待っていれば……











タッタタ タッタタタッタ タタタタタンッ……











『如何した?』






「さっくん、御免っ……。」






『まーた御免って言っ……』

























「玄関に……、た、大志がっ……。

 ハァッ……、ハァッ……、ドライブ、行けないっ。

 たっ、助けて……、ハァッ、ハァッ……!」











一緒に出ていれば、彼女に怖い思いをさせずに済んだのに






俺はまた彼女を守れなかった……











To Be Continued……










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る