第15話 校長先生


魔法学園は二年前と何も変わっていなかった。

白亜の学び舎の中には沢山の学生が居て、皆楽しそうに魔法の事を話している。


「ルーベン先生。おはようございます」

「おはよう」


すれ違う生徒はルーベンに笑顔で挨拶して行く。

その中には頬を染めている子もいて、ルーベンは相変わらずモテるのだと思った。


(私が学生時代もルーベンは人気だったからなぁ……まだファンクラブとかあるのかな?)


ルーベンには話していないが、私が在学している時はルーベンのファンクラブがあった。

それぐらいルーベン・アルスベスタという人間は人気があり、人を惹きつける。

才色兼備とか容姿端麗、頭脳明晰という言葉が似合う男性。そんな人に一度ではなく二度も愛されているなんて、とても幸せだと思う。

ルーベンの事を胸の中で思いながら私はルーベンの隣を歩き、校長室に向かう。

校長室は学園の最上階にあり、豪華な赤い扉をルーベンがノックすると、扉が開いた。


「失礼します」


頭を下げて入室すれば、校長先生が居た。

髪と同じ色の白い髭を生やした校長先生も二年前と何も変わらない。


「久しぶりだね。ユキ。元気だったかい?」

「元気です。校長先生もお変わりはありませんか?」

「無いよ。儂も元気だ。この度はこちらの無理な要望を聞届けてくれてありがとう。事情はルーベンから馬車の中で聞いたかな?」

「はい。お聞きしました」

「それなら話が早いね。今日は長旅で疲れたと思うからゆっくり休んで、任務の方は明日からにしよう。部屋は用意してあるけど……」


校長室は私の隣に立っているルーベンを見つめる。

ルーベンはコホンっと小さく咳払いして話を始める。


「校長先生。ユキは現状の魔法学園を知りません。その為、僕がサポートに回ります。その為情報共有なども兼ねて、共に過ごさせて欲しいのですが……」


ルーベンの提案は如何にもな理由となってはいるが私達が恋人だということが校長先生にバレてしまいそうで、心臓がドキドキした。


校長先生を見ると優しい笑みを浮かべていた。


「そうだね。かつて通って居たとはいえ二年で魔法学園の中も少し変わっているから、学園に詳しいルーベンがいる方がユキも動きやすいと儂も思う。ルーベンの同行と暮らしを許可するね」

「ありがとうございます。校長先生」

「あ……ありがとうございます」


私達は頭を下げ、そして詳しい話は明日することになり、私とルーベンは校長室を後にした。

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