第14話 魔法学園

コトリという音がして、目を覚ました。


「ん……」

「おはようユキ。学園に着いたよ」


頭上からルーベンの声がして、いつの間にか眠っていたのだと分かった。

ルーベンに愛された体は眠ったというのにまだジンっと熱く、腰にも甘い痺れも残っており、馬車から降りたくないという思いが強くなる。


「ユキ。おいで」

「ありがとうルーベン」


考えて居るとルーベンが馬車のドアの外で私に手を伸ばして立っていた。

ゆっくりと立ち上がりルーベンの手を取り、馬車を降りると冷たい冬の風が私の頬を撫で白い長い髪を揺らした。

目の前に広がるのは広大な雪原とそして大きな白亜の建物。


王立魔法学園。


かつて私が在籍し、ルーベンと出会い恋に落ちた場所。

二年前と変わらないその姿に私の胸は締め付けられ、握っていたルーベンの手を強く握る。


「大丈夫。学園の人で君がクインテットと知る人は校長と教師のみだよ。魔法学園は情報を遮断してるから学生はクインテットの顔なんて知らない」

「そ、そうだね……」


王立魔法学園は全寮制であり、魔法の高みを目指す為の学園である。その為、余計な雑念は排除されており外界とは遮断される。

特に生徒にはクインテットの事は秘匿されている。

それはクインテットというのが学生にとって憧れであるからだ。

夢と現実は違うことも多い。だが学生時代ぐらい夢を見せてあげたい。その優しさから出来た制度である。


「とりあえず校長先生に挨拶しようか。体も辛いだろうから手短にしてもらうよ。校舎案内は明日にしよ?挨拶したら、僕の屋敷で二人の時を過ごそう」

「う、うん……」


ルーベンの提案は今の私には嬉しく、素直に受け入れた。

そして私とルーベンは一緒に魔法学園に向かったのだった。

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