第53話

確かに。



隼人が渡米した年のクリスマスは、行ったばかりという事もあって帰国なんて無理だったし。


果歩自身も仕事があって休みを取れず、お互い会う時間を作る事が出来なかった。


だから今回が、付き合って初めて過ごすクリスマスという事になる。





「そんな貴重な時間、他の人に、渡すつもりはありません」






真剣な表情で告げる隼人に見惚れていると、左手をぐっと引かれて指輪の上に口づけを落とされた。



久しぶりに感じる彼の唇の感触に、体温が上がる。



なんだか余計にもどかしくなって、お互い自然と指を絡めた。



そのまま手を繋いで、隼人が促すままに歩き出す。



「ねぇ、でもなんで和真が素直に計画に乗った訳?」



レストランまでの道のりで、何気なく疑問を口にした。




途端に、隼人の眉間に皺が寄る。



それは、以前と変わらない隼人の反応だった。

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