第52話

「だって、わざわざ帰って来たのに果歩さんと過ごせないなんて、意味ないでしょ?」


魅惑的な笑顔で微笑む隼人には、完敗だ。




いつだって想像もつかない方法で、一番欲しいものをくれる。





ああ、そうだった。



こんな隼人だから、会う度彼に恋に堕ちるんだ。



果歩は、イルミネーションを映して光る隼人の黒い瞳を、もう一度じっと見つめた。



そんな果歩を見つめ返して、隼人が徐に口を開く。




「寒いから、そろそろ行きましょうか」


「え? どこに?」


「どこって、ちゃんとレストランを予約してますからね」


「うそ、本当に? だって、食事は嘘だったんじゃ」


「俺と過ごすために、予約しています。だって、初めて一緒に過ごすクリスマスじゃないですか」

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