第8話 初めてのボス戦です

 バラトの手首を切ってしまった俺は、彼にポーションをぶっ掛け一命を取り留め、少しするとバラトは目が覚めた。


 「あれ、如何なったんだ?」

 「あっ、バラト大丈夫か?特に右手とか……」


 俺に言われてバラトは右手を握ったり開けたり、手を回したりと確認する様に動かした。彼は首を横に振り大丈夫だと言うと、俺達はホッと息を漏らした。彼は其の状況に戸惑っていたので状況を説明した。


 「マジかよ!?あっぶなぁ、そんな事で死ぬ所だったのかよ俺」


 口調は軽いが、バラトは自分の手首を摩りながら安堵していた。まあ、自分が気絶している時に、実は死に掛けてた、だなんて冗談にもならないからな。気持ちは分かる。マジでごめん。


 「バラト、本当にごめんな。俺が下手くそなせいで怖がらせて」

 「ん?別に気にはしてないさ。態とって訳でもなく、死んだ訳じゃあないんだ。このゲームでは誤差みたいなもんだよ」


 バラトはそう言って笑って許してくれた。見た目はチャラいが、懐は広い男みたいだ。


 「さっ、バラトも目が覚めた事だしマンドラゴラ狩りの続きするとしますか!」

 「軽!?おい、カグラ!もっと俺の事を労れよ!」

 「次はジンかダンダね」

 「お前はやらないのかよ!」

 「うっさいわね〜しょうがないでしょ、魔法職のクレアとサクラじゃSTRが低いせいか、逃げられそうになるんだから」


 カグラがやれやれと手を上げながら説明し、俺はそうなのかと納得するとバラトが違う違うと近寄った。


 「2人の事は言ってねぇよ!俺が言ってるのはお前の事だ!」

 「私?何で私が?私は女よ。そう云うのは力が有る男に任せるわ」

 「女って、ぷっ!其の俎板まないた体型でよく言うぜ。スカート穿くより男装した方が似合うんじゃないか?まあ、今も女装してるみたいなもんか」

 「何ですってぇぇぇ!!」


 カグラが怒りの雄叫びを挙げた次の瞬間には、2人は殴り合いの喧嘩を始めていた。俺は止めなきゃと思い2人へ近づこうとした時、ジンに肩を掴まれ止められダンダが2人へ近づくと、両拳を振り上げ2人の頭を思いっきり殴った。


 「お前ら良い加減にしろ!今回はサクラも居るから大人しくしてると思ったら何時もみたいに馬鹿騒ぎしやがって。バラト、お前は言い過ぎだ!カグラ、お前も手伝え!分かったらお互いに謝る!」

 「「……ごめんなさい」」

 「自分達が馬鹿騒ぎして負ったダメージ何だから、自分で治す様に」


 ダンダが説教すると2人の喧嘩が治った。この5人で何時間WLOをやり込んでるのかは知らない。如何やらジンを中心に、バラトが馬鹿をやりカグラが其れを諌めるが2人でちょくちょく喧嘩をし、クレアが1人の世界で暴走し、其れら全てをダンダが面倒を見て諌める感じか。


 「ジン、お前もうちょっとリーダーとしての自覚を持った方が良いぞ」

 「いきなりダメ出し!?」

 「後、ダンダをちゃんと労れよ。あの人が居なくなったら、このパーティー壊滅するぞ。色んな意味で」

 「そんなの言われる迄もなく分かってるよ。ああ、そうだ。サクラ、何となく分かったと思うがカグラに体型関係のストーンやペターン他色々は禁句だからな」

 「言わねえよ。特にあれを見た後ではな」


 改めてたん瘤生やして正座させられてる2人を眺め乍らそう言い、ダンダは怒らせない様心に誓ったのだった。


 「其れじゃあ、マンドラゴラ狩りに行こう!」


 そう言ってクレアが歩き始め、俺達は其れを追いかけた。何だかんだ言って、このパーティーの中で一番ちゃっかりしてるのはクレア何だろうなぁ。

 其の後、俺達は俺がマンドラゴラを見つけてバラトの次がジン、カグラの次がダンダと云う準備で引っこ抜き倒すを繰り返した。レアエネミーと聞いてはいたが、其処迄レアだとは思わなくなって。確かに薬草や毒草に比べたら数は少ないが、此れなら魔素草まそそうを見つける方が大変だ。そうして俺達は約2時間近くマンドラゴラ狩りに生を出し、100体を倒した所で止める事にした。


 「調子に乗って100匹も倒したけど、ドロップ品は胴体と草だけか」


 マンドラゴラのドロップ品は胴体が1つだけ確定で、草は1〜3枚がランダムでドロップするみたいだ。


 「ダンダ、草は何枚有るんだ?」

 「大体250枚位だな」

 「うへぇ、如何やって分けるんだ?」

 「ん〜……誰か希望は有るか?」


 ジンの言葉に図々しいとは思ったが、希望を出す事にした。


 「じゃあ、俺は胴体より草多めに分けてもらうと助かる」

 「良いのか?確か草も杖の素材だけど、胴体の方が要求される数は多かった筈だぞ?」

 「ああ、俺は杖より調薬で色々作ってみたいからな」

 「分かった。マンドラゴラに関してはそうするな」


 他の皆も特に意見は無かったので、マンドラゴラに関してはすんなりと意見が通りそうだ。


 「さて、皆未だ余裕は有るか?」


 ジンの言葉に俺も含め全員が頷いた。


 「さあ、寄り道は此処迄にしてボスに行くぞぉ!」

 「おぉぉぉ!」


 ジンの掛け声の後、俺達はボスに挑む為森の奥へと向かった。移動中も何度かエネミーと戦闘になったが、問題無く奥へと進んで行った。

 ある程度奥まで進むと、俺達は大きく開けた空間に出た。後ろを振り向くと歩いて来た道に半透明の壁に【KEEP OUT】と云う赤文字が現れた。瞬時に理解した。此処がボス戦のフィールドなのだと。

 奥の木々がざわざわと大きな音を立てると、其処から大剣を背負った巨大なエネミーと無数のゴブリンが現れた。


 【BOOS:ボスゴブリンとその取り巻き(20体)

  推奨人数:10人以上】


 俺達の目の前に見た事無い表示が現れた。如何やら間違い無くあれが此処のボスみたいだ。其れにしても、ボス迄ゴブリンとは、もうこの森はゴブリンの森と改名した方が良いんじゃないだろうか?


 「あの数に推奨人数10人とか……殆どレイド戦じゃねぇか!?」

 「もう、後ろには戻れそうにないね。つまり、彼奴らを倒すか私達が倒されるかの2択って訳ね!」

 「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️!」


 ボスゴブリンが声にならない雄叫びを挙げると、ゴブリン達が一斉に駆け出し、戦闘体勢に入った。アーチャーとメイジは後方で弓と魔法の準備に取り掛かっていた。


 「クレアとサクラはアーチャーとメイジの撃破優先!ダンダはボスがちょっかい掛けて来ないようヘイト管理を頼む!俺含め他は雑魚の殲滅後ダンダのフォロー!」

 「「「「了解!」」」」


 ジンにバラトとカグラは雑魚達へ向かいボス迄の道を作り、ダンダはボスゴブリンが俺達を邪魔しない様に自身へヘイトを向けてくれた。そして俺とクレアは全員の邪魔をされる前にアーチャーとメイジの後方組に向かった。


 「アーチャー2にメイジ5何時もより多いな。ファイヤー・バレット!」

 「でも、祭りは盛り上がらないと面白くないわ!エアー・バレット!」


 唯、俺達は舐めていた。所詮はゴブリン、どんなにゴブリンなら負ける事はないだろうと。

 クレアの熟練度が上がった【エアー・バレット】も加わった、2つの火球と2つの風球が其々1匹ずつのゴブリンに命中。地面に倒れた時だった。


 「ギャギャギ!」


 1匹のゴブリンが薄らと光ると、倒れていた2匹のゴブリンも同様に光りだし立ち上がった。俺は其れが何か直ぐに理解し、クレアも何か予測が出来たみたいだ。


 「ヒール!?ゴブリンが使うとか初めて見たぞ!」

 「なる程、まさに彼等は王の親衛隊って訳ね!」


 ヒーラーが居るのは不味いと思い俺達はゴブリンのヒーラー、ゴブリンヒーラーに杖を向けるとアーチャー達が俺達に向けて矢を放った。


 「ファイヤー・ウォール!」「エアー・ウォール!」


 盾を作り矢を防ぎその場から走って距離を取り、作戦会議を行った。


 「クソ、やっぱりヒーラーが厄介だな。どうする?やっぱり先にヒーラーからやるか?」

 「いいえ、先にやるならアーチャーからにしよ。魔法には相性も有るし、エネミーにもMP切れが有る。ヒーラーのMP切れを狙おう」

 「分かった」


 流石このゲームをプレイする位のゲーム上級者だ。既に戦況や相手の弱点を見抜いている。俺も足手纏いにならない様に立ち回らないと、今回は相手を倒すか、此方が死ぬかの2択なのだから。


 「攻撃力は劣るけど、風魔法は速度が速く弓との相性が良いの。だから、私が素早くアーチャーを倒すから、申し訳ないけど暫くの間メイジ達を引き付けておいてくれない?」

 「ああ、ポーションも有るから今このパーティーでの中では、多分ダンダの次には持久力高いよ」


 俺達はお互いの役目を決めるとその場から分かれた。俺は杖をゴブリンメイジに、ではなくゴブリンヒーラーに杖を向け【ファイヤー・バレット】を放つと、直ぐに1匹のメイジがヒーラーの前に出ると水盾を展開し俺の火球は盾に当たり消えた。

 アーチャー達が俺にヘイト向け矢を俺に向け様とした時、クレアがその前に風球を放ちアーチャー達を吹き飛ばすと作戦通りヒーラーが回復を始めた。

 メイジ達はヒーラーを守る為に、ヒーラーの前に立つと其々火球風球水球石球を放った。恐らく俺達と同じ下級魔法のバレット系で熟練度は2なのだろう。全て2つずつ飛んで来た。俺はメイジ達が魔法を放った瞬間に【ファイヤー・ウォール】を展開し、その場離れ【ファイヤー・バレット】を放った。防がれると思った火球はメイジ達に命中し体勢を崩した。

 よく見ると、火盾には何も当たっておらずメイジ達が放った魔法は消えていた。よく考えると答えは簡単だった。あいつ等の魔法は相性で相殺されたのだ。

 魔法には当然相性が有る。火は風に強く、風は土に強い。土は水に強く、水は火に強い。前に俺とクレアが同時に魔法を放ち、お互いの魔法がパワーアップするのは相性と、完全ピッタリの同時攻撃をしなければ成らない。其れを4属性で、しかもピッタリ合ってない同時攻撃ではパワーアップどころかパワーダウンするのは当たり前だ。少なくとも少しの間は文字通り盾に隠れ乍ら攻撃が出来る。

 俺は奴等が体勢を立て直す前に攻撃を有りっ丈叩き込んだ。ヒーラーは当然メイジ達も回復させ様とするが、今はクレアのお陰でアーチャー達もぼこぼこにされている。しかも、ボスやその他の近接ゴブリン達も回復させないといけない。其の仕事量を考えると当然1匹では全部を捌く事は出来ず、何処を最優先すべきか理解出来ずに、情報過多で手当たり次第で回復させていた。


 「ファイヤー・バレット!ファイヤー・バレット!ファイヤー・バレット!」


 何とか相手の火と水の魔法を使うメイジを倒し終えた時、アーチャーを倒し終えたクレアが戻って来た。


 「お待たせ、こっちは片付け終わったよ!」

 「こっちもヒーラー入れて後3匹だ。其れで作戦は?」

 「当然!ゴリ押し!」


 俺達は兎に角メイジとヒーラーに魔法を放ち続けた。総数が減りヒーラーは居るから苦労すると思ったが、想像してたよりヒーラーはそろそろ限界そうだった。回復魔法のヒールの熟練度は他と同じ1から2程だろう。MPが俺達の初期と同じ100位だとすると、魔法が使えるのは33回から16回位だ。確かにそろそろ限界だろう。


 「ファイヤー・バレット!」

 「エアー・バレット!」


 俺達が魔法を放つとメイジ達が風球と石球を放った。だが風球は俺の火球の威力を上げ、石球はクレアの風球により風化され其々が相殺され、俺達の魔法を直撃した。其の後も俺達の魔法を何発もくらい倒された。

 自身を守る者が居なくなったヒーラーは、複数の属性を持っていないのだろう。杖を振り被り此方に向かって走って来た。確かにMPが無くなったり、戦える魔法が無いヒーラーには其れしか手段は無いのだろう。


 「けれど其れは」「悪手よ!」

 「ファイヤー・バレット!」「エアー・バレット!」


 再び偶然にも同時放たれた魔法は、相殺ではなく威力を増しヒーラーへ命中し倒す事が出来た。完全にオーバーキルだ。

 俺達はお互いの目が合うとハイタッチをし喜び合った。だが、戦いは未だ終わっていない。俺達は殆どダメージを負っていない為MPポーションを数本飲み回復しダンダの下へ向かった。

 防御に専念してるのだから大丈夫だろうと思っていたが、其れは違った。盾を構えて立ってはいるがかなりボロボロになっていた。恐らく見た目通りかなりSTRストレングスと見た目に依らずAGIアジリティが高いのだろう。俺はローポーションを2本取り出し蓋を開けダンダに掛けた。


 「大丈夫か?」

 「すまん、助かる」

 「此奴の情報は?」

 「硬い、速い、強い。舐めてると直ぐにやられるぞ!」


 ボスゴブリンが大剣を振り上げると、俺とクレアは盾を出現させたが奴は構わず大剣を振り下ろした。盾だから例え【ファイヤー・ウォール】に突っ込んで来ても、ダメージは負えないが怯んだり止まったりはする。


 なのに此奴はそう云う事にはお構い無しかよ!?正にボスゴブリンと言う名に相応しいエネミーだよ!


 俺達は盾で防ぎつつ魔法で攻撃をした。ぶっちゃけ、攻撃が効いているのか全く分からない程暴れまくっている。


 「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️!」


 ボスゴブリンが雄叫びを挙げ大剣を左右へ横撲りに振り回すと、俺達はバラバラに吹き飛ばされた。

 リアル程ではないだろうが、其れなりに痛みが有り右腕で動かなかった。目の前に【状態:右腕骨折】と表示され俺は慌ててポーションを掛けたが1本では効果が無く、10本以上飲むと漸く痛みが引き骨折の表示が消えた。2人の方を見るとクレアは恐らく俺と同じか復帰しようとしている。ダンダは軽症なのかもしれないが、完全にボスゴブリンのヘイトが向いており、大きく大剣を振りかぶっていた。

 クレアはダンダを助ける為に杖を向けているが、彼女の【エアー・バレット】では間に合っても威力が減衰して正直言って全くダメージは入らないだろう。俺の【ファイヤー・バレット】は例えダメージが入っても届く頃には、ダンダは攻撃されて死亡するかもしれない。


 どうする?もう時間が無い!


 「ライト・レーザー!」


 考えていた瞬間には体と口が動き、使わない筈の光魔法を放っていた。


 「「「「え!?」」」」「あちゃ〜……」


 ジン以外は口を開けて驚き、ジンは額に手を当て呆れると云うかしまったと云う顔をした。だが、そんな余裕はもう無いしはっきり言ってもう吹っ切れた。其れに短い間だが此奴らの事は信じている。後で言わない様にお願いすれば大丈夫だろう。

 俺は距離が在れば【ライト・レーザー】で、距離が近くなれば【ファイヤー・バレット】で攻撃し牽制した。ボスゴブリンのヘイトが俺に向き大剣を振り下ろそうとして来た。


 「ストーン・ウォール!」


 【ストーン・ウォール】を展開すると、ボスゴブリンが大剣を振り下ろす速度が遅くなった。やはり、【ストーン・ウォール】なら物理攻撃を防げる、もしくは威力を弱める事が出来るみたいだ。ボスゴブリンが大剣を俺へ向けて振り下ろして来る度に避けたり、【ストーン・ウォール】で避けたりしダンダの元へと向かった。


 「お前、それ……」

 「ヒール!詳しい事は全部終わった後だ、後はポーションで回復しろ!」

 「とにかく、今は前衛が戻ってくる迄の間こっちに引き付けておかないと!」


 俺達は無理に倒そうとはせず時間稼ぎに徹した。勿論何も攻撃しない訳ではないが、下手に攻撃しに行くと、幾らゲーマー上級者でも死ぬ確率が高くなるからな。特に俺が。唯、もう縛りプレイをしなくて良くなったのでかなり立ち回り易くなった。距離が出来たら【ライト・レーザー】、近づいたら【ファイヤー・バレット】や他の魔法で。守る時は【ストーン・ウォール】で守る事にしていた。


 「おーい!こっちは終わったぞ!」


 ジン達の雑魚掃討が終わったみたいだ。さっさと合流したいがボスゴブリンの攻撃や動きで中々合流出来なかった。


 「2人共、隙を作るから大回りでジン達と合流してくれ!」

 「「分かった!」」

 「ダーク・ミスト!」


 俺はボスゴブリンに近づき黒い霧を発生させた。盲目状態になったボスゴブリンはまるで錯乱したみたいに大剣を乱暴に振り回し始めた。


 「これもおまけだ、ダーク・ニードル!」


 俺は足元に小さな針の様な剣山を生やした。ボスゴブリンが剣山を踏むと痛がりひっくり返り背中から剣山を踏んだ。俺もボスゴブリンの錯乱に巻き込まれない様に大回りで全員に合流し体勢を整える事にした。


 「お前、幾つの魔法が使えるんだよ!?」

 「バラト、其れはあれを倒してから!サクラ、あの状態はどの位続くの?」

 「盲目状態は後30秒切ってる、ダーク・ニードルは後1分あの状態だから気を付けてくれ」

 「あの霧は使えるのか?」

 「使えるがFFフレンドリーファイアで皆が盲目状態になるかもしれないからもう使うつもりはない」

 「分かった。じゃあ、あの針も使わないでくれ」

 「了解って来たぞ!」


 体勢を整え終える頃にボスゴブリンの盲目状態が解除され、こちらを見つけると大剣を振りかぶってこちらに向かって来た。タイミングが良いのやら悪いのやら、未だ作戦会議出来てないって云うのに。


 「ジン、作戦立ててないけどどうする!?」

 「命大事に、ガンガン行こうぜ!」

 「「「「了解!」」」」


 ダンダは一番前に出て盾を構え、ジンとバラトにカグラは武器を構え、俺とクレアは杖を構えた。俺は【ストーン・ウォール】で威力を落としダンダが盾で完全に受け止めた。そしてジンとバラトが左右に分かれた。


 「ダブルスラッシュ!」「ストレートフィスト!」


 ジンは片手剣で二連続切り付け、バラトは勢いが在る右ストレートをボスゴブリンの膝に攻撃を仕掛けると奴はバランスを崩して背中から倒れた。


 「ダンダ、上!」


 カグラがダンダへ叫ぶと、ダンダは背中に盾を斜めに構えしゃがむと、ガグラはそんなダンダへ向けて走り出した。そしてダンダの盾を踏んだ瞬間、ダンダはカグラを持ち上げカグラはその勢いを付けて上へ大跳躍した。体を捻り体勢を整えるとボスゴブリンの真上から短剣を構えた。


 「ピアーシング!」

 「◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️!」


 カグラがボスゴブリンの目に短剣を突き刺すとその痛みからか叫び声を挙げ、カグラを攻撃する為に拳を振り下ろすが、カグラは短剣を抜いて其れを避けボスゴブリンは自分の拳で自分の顔を攻撃してしまった。多分、先程のカグラの攻撃は今迄で1番効いただろうなぁ。このゲームにはちゃんと物理エンジンがあるからな。

 ボスゴブリンは数秒痛みで悶えている間に俺達は攻撃を叩き込んだ。ボスゴブリンが立ち上がるとバラトが急に耳打ちして来た。其れは確かに面白い提案だがかなり難易度が高い行為だ。どうしてもやりたいとの事で、失敗して死亡しても俺は責任を取らないと云う条件の元で手伝う事になった。


 「ダンダ!道を開けてくれ!」

 「アンタ達、何するつもりよ!?」

 「詳しくはバラトの馬鹿に訊いてくれ!ファイヤー・バレット!よし、準備は出来たぞ!」

 「よっしゃ、行くぜぇー!」


 ダンダが俺の要求通り正面から退いて貰い、【ファイヤー・バレット】をボスゴブリンに当てて正面を向かせるとバラトが奴に向けて走り始めた。ボスゴブリンの真下迄来ると俺はタイミング良く【ストーン・ウォール】を展開しバラトを打ち上げた。


 「タイミング、位置もバッチリ!バレット・アッパー!」


 ダダン!とバラトはボスゴブリンの顎を殴ると、奴はバランスを崩し仰向けに倒れた。落ちてくるバラトの下に【ウォーター・ウォール】を展開してみると、何とか受け止める事は出来たが、ウォールで出来た宙に浮かぶ水溜りの中から出られずもがいていた。直ぐに取り出したから何も問題は無かったが、今後は気を付けないとな。


 「全く、アンタは本当に馬鹿何だから!サクラも馬鹿が移るから付き合ったらダメだからね!」

 「わ、分かった……」


 カグラに説教され、俺は頷いてバラトは苦笑いしていた。


 「おい、お前等漫才やってないで早く体勢整えろ!来るぞ!」


 ボスゴブリンが地面に手を付き立ち上がろうとしていたので、ジンに言われ俺達は直ぐに戦闘体勢に入った。

 どう来る?と警戒していると、ボスゴブリンは手を滑らせ又倒れた。何とか或る程度立ち上がろうとするが、またまた倒れた。


 「此れって……」

 「あいつ、もしかして立ち上がれないんじゃないか?」


 俺達は顔を見合わせると自然にニヤリと口角が上がり、其の儘武器も振り上げた。


 「お前等畳み掛けるぞぉ〜!」

 「「「「おぉぉぉ!」」」」


 「トライアングルスラッシュ!」「シールドアタック!」「シリアルピアーシング!」「ダブルバレットフィスト!」「ファイヤー・バレット!」「エアー・バレット!」


 全員で同時に攻撃した。ジンは剣で三角形に斬り付け、ダンダは大盾で突進攻撃、カグラはナイフで二連続の刺突攻撃、バラトは両手で連続の拳打。俺は2つの火球を放ち、クレアは1つの風球を放った。俺は更に風球土球水球を放った。土煙が立ち上り、煙が晴れると未だボスゴブリンが立っていた。

 

 「未だ、生きてんのかよ!?」

 「いえ、よく見なさい!あいつ、もうヘトヘトみたいよ」


 カグラはそう言ってボスゴブリンに指を指すと、大剣を杖替わりに体を支えており、立っているのがやっとの状況みたいだ。


 「よっしゃ!ラストアタック狙うぜ!」


 ジンがそう言って鼓舞し、俺達が「おう!」と声を挙げるとダンダがストップを掛けた。


 「ちょっと待って!何か様子が可笑しいぞ!」


 ダンダに言われてボスゴブリンをよく見てみると、緑色の体色が変化し黒色に、更に角と牙が大きく鋭くなり、筋肉がもっと膨張した。


 「な、なんだあれ!?第2形態か!?前はあんなの無かったよな!?」

 「いや、あれは発狂モードだ!」




サクラ現在のステータス

 MP:105 (+10)

 SP:100

 STR:5 (+4)

 VIT:3 (+3)

 MAG:5 (+4)

 RES:3 (+3)

 AGI:5 (+11)

 DEX:1 (+13)

 INT:1 (+22)

 LUK:1 (+2)

・スキル

 火魔法Lv1

 水魔法Lv1

 土魔法Lv1

 風魔法Lv1

 回復魔法Lv1

 光魔法Lv1

 闇魔法Lv1

 杖術Lv1

 語学力Lv10

 短剣術Lv1

 調薬Lv2

・魔法

 火ファイヤー・バレット:熟練度2、ファイヤー・ウォール:熟練度1

 水ウォーター・バレット:熟練度1、ウォーター・ウォール:熟練度1

 風エアー・バレット:熟練度1、エアー・ウォール:熟練度1

 土ストーン・バレット:熟練度1、ストーン・ウォール:熟練度2

 光ライト・レーザー:熟練度2、ライト:熟練度1

 闇ダーク・ニードル:熟練度1、ダーク・ミスト:熟練度1

 回復ヒール:熟練度1

・装備

 初心の杖 

 旅人の服(上下)

 旅人のマント

 旅人の靴

・所持金:390G

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