第5話:異世界へ行ったせいで人間界の環境変わってないかい?

いつまでも大学は休めないから大学へ行った。

エマのことが心配だったけど妖精さんを屋敷に残して僕は大学に顔を出した。

出さなくても、僕が大学を休んだところで心配してくれる女子もいないし・・・


とも君・・・もう大丈夫なの?風治った?心配してたのよ」


いきなり僕を見るなりそう言ってきたのは「吉仲 恵麻よしなか えま」だった。


「え?・・・ああ大丈夫だけど・・・なんで、なんで吉仲さんが?」


「吉仲さんってなに?いつも恵麻って呼んでるくせに」


「あ、恵麻・・・そうだね」


「それになんでって・・・私ととも君、付き合ってるんだよ?」

「彼女が彼の心配するの当たり前でしょ?」


「は?・・・いやいや僕、彼女なんかいないはずだけど・・・」


「なに言ってるの・・・風邪ひいてお休みしてる間に記憶が飛んじゃったんじゃ

ないの?」


「いや〜・・・ごめん、ちょっと思い出してみるから」


思い出してみるもなにもないんだ・・・僕にもよく分からない・・・。

なにかが変わったとしたら、僕が異世界へ行ったちゃったことくらい。

もしかして、それが原因で、ちょこっとだけ人間界の環境が変わっちゃったとか?

まさか・・・。


「友君、熱は下がったの?」


「うん・・・熱は下がったからもう大丈夫だと思うけど・・・」


恵麻は背伸びして両手で僕の頭を持って自分のおデコを近ずけて僕のおデコに

コツンって当てた。

およよ・・・ち、近い・・・めっちゃ近い・・・恵麻の息がかかる・・。

なんて際どいシュチュエーション・・・おもわずクチを尖らせてしまうところ

だった・・・アドレナリンの放出半端ない。


「大丈夫みたいね・・・連絡くれたら看病に行ってあげたのに何してたの?」


異世界へ行ってたなんで言えないし、ましてや屋敷に妖精がいるなんて言えない

それに・・・妖精ちゃんの名前・・・恵麻と同じにしちゃったし、こんなふうに

なってるんだったら違う名前にすればよかったよ。


ふたりが同じ部屋にいて、エマって呼んだら、ふたりとも返事するよな。

今更、名前変更〜なんて言ったらエマのやつ怒るかな?

まあいいか・・恵麻にはエマのこと知られないようにすればいいや。


つうか恵麻が僕の彼女って・・・相手は吉仲 恵麻だぞ・・・クラスいち成績優秀

で可愛いと来てる・・・とても僕なんか相手にしてもらえないはずないのに。

だけど、せっかく恵麻が僕の彼女になってくれてるんだからこのまま付き合っちゃ

おう。

恵麻のほうから間違いだったから別れようって言われない限りはね・・・。


「無理しないでよ・・・不自由だったら私、友君ちに晩ご飯作りに行くよ」


恵麻は妖精のエマに引けを取らないくらい可愛いし、性格もいい。

僕が大学に入ってすぐに恵麻を見初めてしまったけど告っても無理だって諦めた。

事故ったのはイヤだけど、こんなふうになって異世界へ行ったのもまんざら無駄じゃなかったってことか・・・。


「あはは、ありがとう〜・・・気持ちもらっとくね」

「恵麻は来なくていいから・・・今の所大丈夫かな?・・・なんとかやれるから」


「遠慮なんかしないで言ってね」


「うん・・・その時は言うから・・・僕の彼女だもんね」


本当なら絶対、恵麻に屋敷まで来て欲しいんだけど・・・タイミング良すぎるって

のも困ったもんだ。

なかなか上手くいかないよな。

今、恵麻が僕の屋敷に来るのはちょっとマズい・・・いくら小さいって言っても

妖精の女がいるんだから・・・小さすぎてエッチいことなんかできないって分かってても一応おっぱいはあるしチンチンはついてないからな。


つづく。


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