第2話
「おはよう、朝陽」
「どうしたの?今日元気ないね」
「いつもでしょ」
「あはは、確かに」
牛乳で濡れた雑巾、水浸しになったトイレのタイル、便器の中に突っ込まれた顔。なんかドラマのワンシーンみたい、と誰かが言う。
これが僕の、普通の朝だ。
「あぁ、そろそろ終わり?」
予鈴のチャイムがなると、皆、何もなかったかのように各々の教室に帰っていく。
「また明日ね、罪人さん。」
そう言い残して。
そして僕もまた、人混みの中に溶け込まなければならない。水道水で頭を洗い、持ってきた予備の服に着替えて、トイレを出た。
僕は罪人だ。
だからこそ、あれに反抗する権利なんてものは持ち合わせていない。せいぜい、便器の中で溺死でもしてしまうくらいが丁度いいのだろう。
そんなことを考えながら席についたとき、ホームルームが始まった。
僕はこの時間が好きだ。誰も僕を頭の片隅にさえ入れていない。ただ、一日の始まりをなんの感情も抱かず過ごしている。 この時間だけが、僕の罪を薄めてくれる。
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