一風変わった便利屋たちには笑いが絶えない

 この軽妙なテンポで進んでいく物語は、どこか児童文学的な繊細さを感じさせます。
 主人公らだけでなく、依頼人などの登場人物たちとの会話もウィットに富んでいて、たいへん生き生きとしており、その世界に息づく血肉の通った人物たちとして描写されています。
 そんな主人公たちが立ち向かう不思議な事件は、解決までの道筋が冒険的でありつつも、舞台の如く洗練された会話劇が繰り広げられます。展開の予想のつかなさと相まって、先に先にと読者を引きこんでくれるのです。

 総じていえば、リズミカルに重きを置いた冒険的ヒューマンドラマと言えるかもしれません。というか、猫のパヴェルかわいい。

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