第20話
―その日の夕餉―
雛はお藤とおさよと一緒に台所の隅にある小さな部屋で夕餉をとっていた。
「は~、やっていけるかな私……。」
「そんなため息ついて……。大丈夫ですよ、私も最初は驚きましたけど皆さん優しくしてくれますよ。」
お藤さんが私の様子を見て励ましてくれた。
「……頑張ってみます。」
「雛さん、朝餉の時みたいに早く食べてくださいね。私たちは隊士さんたちが食べ終わったお膳を片付ける準備をしなきゃ。」
おさよさんが急かすように言う。
「はい。」
雛たちが夕餉を食べ終えると、同じように食べ終わった隊士たちが次々と膳を下げにやってくる。
雛の前には朝餉の時と同様に、男たちがわんさか集まってきている。
「雛ちゃん、長崎のどこにいたの?」
「どういう男が好み?」
「好いた男はいる?」
雛が隊士たちの質問責めに困っていると、ひとりの男が人ごみをかき分けて雛のところに来た。
「邪魔だ、お前ら……。」
男がそう言うと周りの隊士たちが一斉に散っていった。
「あっ、あなたは斎藤さん……ですよね……?」
「お前……迷惑なら迷惑だって言え。」
「えっ?」
「正直、今のような状況は苦手だろう。無理はするな。」
「…は、はい。ありがとうございます。」
「一くん、独り占めはずるいよ。」
藤堂が後ろから出てきた。
「雛ちゃん俺のこと覚えてる?」
「はい、藤堂さんですよね?」
「そうそう、そして俺が永倉新八!!朝餉の時は挨拶できなかったけど覚えておいてくれ!」
「そして俺は原田左之助!!よろしくな!!」
2人が藤堂を押しのけて自己紹介をする。
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