第13話

次の日、朝餉の前の時間にお藤さんが着物を持ってきてくれた。




お藤さんは着物の着かたを丁寧に教えてくれた。




「雛さんは山吹色がよく似合うわ。帯はやっぱりこの深緑色がよく映える。私の見立ては間違いないわ。」




「でも……いえ、何でもないわ……。」




気づかれたかな……?気づいたよね、さすがに……。




でもお藤さんなら黙っていてくれそう。




「さあ、私は他の着物をたたんでから行くから、先におさよさんと朝餉の支度をしてきてちょうだい。」




「じゃあお言葉に甘えて行ってきます。お藤さん、ありがとうございます。」




私は部屋から出て台所へ向かった。




「……やっぱり報告しておかないと……。」




お藤さんがそう呟いていたなんて私は知らなかった。





一方、土方の部屋




「総司、昨日、雛の様子はどうだった?まさかお前、手出したりしてねえだろうな?」




「土方さんと一緒にしないでください。普通におとなしくしてましたよ。」




その時




「土方さん、ちょっといいですか?お藤です。」




「ああ、入れ……。」




そう言うとお藤が土方の部屋に入ってくる。




「どうだった?雛の着付けの方は?」




「雛さん、かなり化けましたよ。昨日着ていた物より、今日の着物姿の方がかえって危険なくらいです。」

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