第三幕
第三幕①
国王
それでも、これまでウエンディが使うはずだった予算から比べれば、
ついでに、兄姉達とも顔を合わせることになった。貴族達や国民に、ウエンディが
ちなみに、
どうやら、ウエンディが未来の王太子にとって
ローレンスを、
もしやるなら、王だ。
そのことを、彼らは全く分かっていない。
もちろんそれだって、今は実際にやる気はないけれど。
だからウエンディは、兄姉達が勝手なことを言い捨てていく時間を、ただひたすら
「これが妹か。現れた
「これが妹か。地味だな。
「これが妹なの? これのおかげでダリアが遠くにいかずに済んだのはありがたいことねえ」
「これが妹なの? とても
好き勝手言われても、気にならなかった。どうせいつか絶対に、まとめてぶっ潰すんだから。ただ、姉姫の一人が言った言葉は少し気になった。
「これが妹なの?
呪われた子、という
そこに、別の兄がやって来て、二人で会話を始めた。
この二人は、特に仲が良いように見える。
「
「あら、何か言ったわ、この子」
「へえ、
目の前で悪気なくそんなことを言う二人は、親密な様子で会話を続ける。内容は、やはりこちらを馬鹿にするものだが、続きを聞くうち、つまり、ウエンディのことを知性の足りない子だと考えていることが分かった。
これまで教育を
忘れた挙句、思い出したら都合の良い
王子王女がこの態度なのは、もちろん、彼らの認識が王の意向に沿っているからだ。彼らの言動は、王の、そしてこの国の
「心から
ウエンディの意思をねじまげて解釈されていることに少し腹が立ったが、まあいいか、と思い直す。馬鹿だと思っているのか思いたいのか分からないが、
「また何か言ったわ。ねえ、他に何か喋ってごらんなさいよ」
「この国の名くらいは言えるんだろうな。おい、言ってみろ」
しばらくウエンディをからかっていた二人の王子と王女は、それきり
彼らは、
そこに、他の王子と王女が集まってくる。
ふと、王妃が手招きをした。それに応えて走り寄ったのは、ローレンス第四王子。
家族
ウエンディはそれを見ている。
ただ、輪の外から、見ている。
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