Chapter2-3 もう一つの世界から
願望実現機構・
其ノ壱、
其ノ二、
其ノ三、
其ノ四、
其ノ五、
以上。
◇◇◇
「うう、ん……」
ショウが目を覚ますとそこは、森の中だった。蛍のような幻想的な光の粒が舞う、綺麗な森だった。木漏れ日は薄く白い。ので、認識を改めよう。どうやらかなり奥深い
もう少し寝ていたいところだが、さすがにそれは
「さーて、まずは状況の整理からだな」
胸からは宝石のような光が溢れている。これが心臓宝石だろう。
服装は、黒を基調とした軽装だ。
腰には白い
「これが
純白の剣身に、歯車などの機械仕掛けをした
不思議だ、とか。どんな能力が秘められているのだろう、とか。そんな感想が浮かぶ中、一番強い感情は。
(めちゃくちゃカッコイイじゃないですかー!)
カッコイイ、だった。あまりに
次に、地面に落ちていたスマホのような端末の確認だ。
「これは確か、願望実現機構に関する色んな情報が入ってるんだっけか」
電源をつけて、ホーム画面へ。そこにはランキング、マップ、備品、暇つぶしのゲームアプリなど。一部、絶対に要らないだろ……と思いつつ、まずはランキングのアプリを開く。ここでは、他の
「一位はもう131人も脱落させてるのか!? ヤバすぎだろ!」
すでにかなり試合が進んでいた。ランキングによれば、選手1000人の内、約300人が脱落しているらしい。
寝てる時、攻撃されなかったのは運が良かったな……と冷や汗をかくショウ。
「てか僕、最下位かよ。なんか萎えるな、この画面」
当然だが、まだ何もしていないショウは最下位。見ていて気持ちの良いものではないのは確かだ。
という事で、次にマップを開く。
もう一つの世界の地図は草原、樹海、都市、山岳。大きく四つのフィールドに分かれていた。
「現在地は……ノエレキの
『ノエレキの樹海』。ここはもう一つの世界の三割ほどを占めている。
「ん、このオレンジ色は……ああ、
――其ノ四、
地図上の薄橙色の円が、その境界線だ。もう一つの世界を侵食するように狭まっていた。
「同じ場所に
そして備品というアプリを開く。
「うわ、これ全部
そこには、様々な項目が。
食料品全般、衣服、寝袋、酒などの
幸い、体調は絶好調。食事も睡眠も必要ない。備品のアプリを閉じる。
それではアプリゲームを……と、日常の中ならベッドに寝転がって早速プレイしていたところだが、ここは戦場の中だ。やめておこう。
……それにしても、静かな地域だ。自然豊かで気分が落ち着く。
ショウはゆっくりと深呼吸して。
「今のとこ周辺には誰もいないっぽいし、まずはこの世界にゆっくりと慣れようかな」
ほっとして、端末を
カシャン、と。
「え」
その音は、自身の胸のあたりから。恐る恐る、下を向く。
それは星が砕け、粉になって宙を舞うような光景。
少年はすぐにも理解した。
自分の
――其ノ三、
起床から十五分。
ショウの
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