長い長い物語です。
主人公が高校生だった第一章。こちらが第五章にして最終章となります。主人公、すっかり大人になりました。ずっと見守ってきていると感無量です。親戚じゃないんですけど、そんな気分。
北海道の当別に生きる人々が、出会い、別れ、生まれて死んで。町を出て行ったり戻ってきたり。
普通の人間が普通に生きていることが、それぞれに物語なのだとあらためて感じました。
そして誰もが互いに支え合い暮らしているということを、これでもかと突きつけてくる作品でもあります。どん底にいる時には誰かがそっと手を差し伸べたり、背を押してくれたり。
優しさに満ちたつながりが存在する当別の町が、このシリーズの本当の主役なのかもしれません。
帰る場所がある。そんな場所を作る。誰かとつながる。
ささやかだけど大変な、そういうことに目を向けたくなりました。