第12話 学校で致しちゃう(H)なんて……

「はぁ……やるならサッサとやりましょう」

「そんなこと言って誘ってきたのはソッチだろう?」

「……門脇先輩が悪いんです…。私を一日放っておいたのが悪いんだから…」

宇美は思い詰めたような声を出しながら話した。

「はいはい。まぁお陰様で俺はそのお零れに預かれるんだけどよ」

「……いいわ。どうせなら初めてやる学校でのエッチを楽しみます」

「ほんと、ヤる時になると乗り気になるよな、お前って」

「…エッチは嫌いじゃないし、一応本命は門脇先輩だから…」

「別にいいさ。お前にセフレが後何人かいるのも知っているし、俺も楽しめれば別に構わねーよ」


竹内と宇美がそれぞれ服を脱いでいる音が聞こえた。


「相変わらずスゲー巨乳だな。学校の男どもがヤりたがるわけだ」

「私はスタイルだけはいいからね」

「そんな自分を卑下するなよ。別に顔だって地味ながらも平均以上あるだろ」

「ありがとう…」


俺は二人の性行為を図書室の本棚の陰から覗いていた。知り合いの本性と言うべきか、隠された本心に驚きながらも少し心が痛んだのを感じた。これが宇美への好意なから来るものなのか、それとも彼女の現在の状況を変えることが出来なかった自身への罪悪感なのかは分からなかった。

だが恐らく確実なことが一つあった。


(俺が門脇先輩を宇美へ紹介したのが原因だよな…)


「いやぁお前の胸相変わらず柔らかくて気持ちいいわ。何カップあるんだっけ?」

「跡付いたら困るので、乱暴に揉まないで下さい。今はGカップだよ…」

「Gカップかよ、スゲーな。彼氏君にバレたら困るもんな、了解気を付けるよっと。姫宮もこのくらいなんだろうなぁ~触りたいし犯して―なぁ」


竹内は宇美との性行為しているにも関わらず、姫宮の事が頭から離れないようであった。話を聞いている限りだが、竹内から宇美への好感度は恐らくないのだろう。あるのは唯の性的欲求のみであった。


宇美に関しても同じなのかと思っていたが、門脇への好意はあるのだろうと思った。その心の隙間を埋めるための竹内や他にいるセフレで埋めているのだろう。非常に歪な心の在り方であり、門脇への恋は本物なのだろうかと少し疑問に思うが、これもまた一つの恋の在り方なのかもしれない。


(というか竹内達の性行為って、まだまだ続くのかね……)


****


改めて過去の回想と今の宇美の発言を照らし合わせても彼女が言っていることは本心なのだろう。誰かに必要とされることが気持ちいと言っていた。

つまり毎日のように門脇と一緒にいることで、門脇から必要とされていることに喜びを感じていたのだろう。

だからこその”束縛”なのだろう。相手を自身の目の前から逃がさないという……。

もしかしたら彼女の世界から見れば、門脇や他の男への好意も本物なのかもしれない。


(なるほど、誰かを好きになるというのは一人一人違った答えを持っているのか!)


宇美は恐らく他の人と比べて、考え方に偏りはあるが逆に他の人より門脇に対しての好意も大きかったのではないだろうか。


「あの……それで徹君は私の告白を受けてくれるってことでいいですか?」

宇美が期待したような目で俺を見てきた。


「え?無理かな、そもそも前段階から無理だから」

「は……」

宇美は目を大きく見開いて驚いた表情であり、先ほどの余裕が無くなっていた。
















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