第5話「神代啓示と瑞鳥風神の決闘」

「まだ、いける」


神代啓示は気合を入れ、強烈な力を足に込め、突進を始めた。足元から伝わるエネルギーを推進力に、彼は一気に「鶴」に向かって飛び込んだ。その瞬間、両翼を広げた「鶴」の右翼が再び攻撃態勢に入り、「瑞鳥風神」が巻き起こる。しかし神代はそれを見越して、足をしっかりと地面に踏みしめ、グッと沈み込んだ。


そして、右手で「流」を引き寄せ、地面スレスレから思い切り振り上げた。


「神代一心流、朧斬り!」


風圧が吹き飛び、「瑞鳥風神」の勢いは一瞬にしてかき消される。しかし、予想通り、次の攻撃が待ち構えていた。「鶴」の左翼から放たれたもう一つの「瑞鳥風神」が襲いかかってきた。だが、神代は慌てず、再び左手で「影」を握りしめ、地面スレスレから頭上へと振り上げた。


「神代一心流朧斬り追(つい)!」


その瞬間、両者は接触を避けるように、まるで時間が止まったかのように動きが止まる。神代の腕と「鶴」の翼が交差し、間合いの外で再びお互いが睨み合う。神代は、完全に隙だらけの状態に見えるが、先に動いたのは「鶴」だった。両翼を広げ、間合いを詰める準備を始める。


「瑞鳥双羽風刃(ずいちょうそうはふうじん)!」


「鶴」の両翼が広がり、風圧と共に刃のように神代へと襲いかかる。その刃の鋭さを見抜いた神代は、むしろ一歩踏み込んでいった。気合を込め、両腕を広げて技を放つ。


「神代一心流対面反撃奥義、流影陣(りゅうえいじん)!」


その瞬間、「鶴」の両翼は止まり、優雅にひらひらと舞い散った。神代の手元から離れた「流」と「影」は、まるで神の手のように見事に舞い、そして「鶴」の両翼の根元に突き刺さった。


霊力の供給が途絶えた「流」と「影」は、もはや刃物としての力を失っていたが、その存在は依然として強力だ。特に、この状況では、動きを封じるために最適な武器となった。


「もらった」


神代は冷静に宣言し、次の瞬間、彼は一歩前に踏み込んだ。手にした「谺」の柄と白鞘をしっかりと握り、目の前の「鶴」を見据える。だが、「鶴」は沈黙を貫き、一切の反応を見せない。


その場の静寂の中で、神代の心は高鳴りながらも、冷静さを保っていた。これが最後のチャンスだ。彼は慎重に踏み込むが、その先にはまだ何かが待ち受けている気配がする。どんな罠が仕掛けられているのか――神代はその真意を見抜く覚悟を決めた。


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