第114話

もう不安にさせたくないのに。



修綺を悲しませたくなんか、苦しませたくなんかないのに。




「…あたし、馬鹿だ…っ」


「由真、」


「修綺の想い、疑うなんてッッ」


「……」


「ごめんね?大丈夫だよ。大丈夫だから、あたしいなくならないからっ」



――あたしがこの人を守りたいと、そう思ったのに…。




ちゃんと思いを伝えれば良かった。



課題やってても側にいれるだけでいいから会いたいって。



修綺は?って聞いてあげれば良かった。



求めるのが怖いと修綺が言うのなら、あたしが修綺の思いを願いを聞いてあげれば良かった。

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