第9話
「なんだよ。ユイのやつけっこー可愛いじゃん。もったいねー。」
『――――ユイコって可愛いよな』
広輝は笑うのをやめた。
突然、少年の声と頭の中に響く声とがリンクした。
(ああ。それで、思いだした・・・)
先程迄の思い出せそうで思い出せない何かが急に鮮明に色付く。
(そんな事もあったな・・・)
この地方に住んでいたあの頃、広輝も目の前の少年達の様に、昇華し切れない想いを抱えていた。
今思い出すと恥ずかしく、微笑ましい。
それでも、当時は一生懸命だった。
(懐かしいな・・・)
あれは、中学3年生。
広輝の初恋も彼等と同じくユイコ、と云う名の女の子だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます