第15話
―――……
『陸に聞いた?』
夜の10時はそうちゃんとの電話タイム。
勿論そうちゃんの都合で時間が前後することはあるけれど。
11時を過ぎるとそうちゃんは電話をかけてきてはくれない。
『良い子は寝る時間だよ』と、未だにそうちゃんは私を時々幼稚園児みたいな子ども扱いをする。
「うん」
『モモ? 怒ってる?』
「ううん。そんな子供じゃないよ。そうちゃんが帰ってくれば毎日でも会えるんだし」
『そっか。でも俺は一日でも早くモモに会いたかったな。寂しがってるのは俺だけか……』
電話越しのそうちゃんの言葉に、赤くなる。
そうちゃんは私を喜ばせる天才だ。
口をパクパクさせるのに、嬉しいやら恥ずかしいやら……言葉は上手く出てこなくて、そんな私を見透かしているそうちゃんの弾けるような笑い声が響いてきた。
ああもう。ちょっぴりからかわれてるような気もするのに。
やっぱ好き。
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