セックスしないと死?!怪し気なアプリをダウンロードした結果、俺の人生が終わった。

本田 壱好

プロローグ


数日前の俺なら、今の状況を想像もできなかっただろう。


遠藤 亜虹エンドウ アコ──あの人気ガールズバンド「Wolf」のボーカルで、俺みたいな冴えないオタクには決して手の届かない存在だった彼女が、今、目の前にいる。


彼女が住んでいるマンションで二人きり。


薄暗い部屋の中、窓から差し込む街灯の光が彼女の姿をぼんやりと浮かび上がらせている。


いつもはツインテールの彼女が今日は黒髪ストレートだ。それが彼女のオフの時の髪型らしい。


彼女は黒の長袖のトップスの下に白いシルクのキャミソールを着ていて、肩紐が細く、華奢な鎖骨が露わになっている。


下は黒いレザーのショートパンツで、白い太ももが際立って見える。潤んだキャラメルブラウンの瞳が俺を見つめ、妖艶な笑みが口元に浮かんでいる。ファンには決して見せない顔。好きな異性にしか見せない、女の顔だ。


その熱を帯びた視線を受け、俺の性器がムクムクと大きくなるのを感じた。下腹部が熱くなって、ズボンの中で窮屈になってくるのが分かる。


「服、脱いで」って俺が言うと、アコちゃんは一瞬たりとも抵抗せず、ゆっくりと動き始めた。トップスを脱ぎゆっくりと下に落とす。

白いキャミソールの裾を両手でつかんで、頭の上に持ち上げる。シルクが肌を滑る音がして、彼女の細い腕が伸び、髪が一瞬乱れる。キャミソールが床に落ちると、黒いレースのブラジャーが現れた。


Dカップの胸を包むレースが薄暗い光に透けて、柔らかな膨らみが強調される。


彼女は背中に手を回し、ホックを外す。カチッと小さな音がして、ブラが肩から滑り落ち、床に静かに着地した。白い肌にピンクの乳首が露わになり、俺の息が詰まる。


次に、彼女はレザーパンツのボタンを外し、ジッパーを下ろす。硬い生地が太ももを擦る音がして、パンツが膝まで下がると、黒いレースのパンティが現れた。彼女は膝を軽く曲げてそれを足首まで下ろし、片足ずつ抜いて床に放った。


最後に、パンティの縁に指をかけて、ゆっくりと下げる。レースが肌を離れる瞬間、かすかに香水の匂いが漂ってきて、俺の鼻をくすぐる。パンティがストンと足首に落ち、彼女はそれを無造作にそれを足で払う。


生まれたままの姿で、アコちゃんは俺を見つめる。その目は少し虚ろで、どこか焦点が合っていないようだ。


白い肌が薄暗い部屋でほのかに光り、黒髪が彼女の胸を隠しているが、首筋から胸元までが艶かしく輝いているのが分かる。


彼女の裸体をずっと眺めていたい。


でも、そうは行かない。スマホを手に取って、アプリを確認した。


【運命のルーレット】の効果終了まで「残り772秒」。残り、13分もない。


マジかよ。


焦りが全身を駆け巡った。


早く、早くセックスまでしなきゃ。さもないと、俺は死んでしまう。

アイテムの効果が切れてしまうと同時にゲームオーバー。キモオタと認識され通報される。

そして二度とチャンスはやってこない。


頭の中でそう叫び、心臓がバクバクと鼓動を早める。いよいよ手が震え始めた。


「キ、キスしていいかな?」


俺は震える声で聞くと、アコちゃんは一瞬黙って俺を見た後、彼女の方から近づいてきた。


柔らかい唇が俺の唇に重なって、甘い香水とシャンプーの香りが鼻腔を満たす。彼女の舌が俺の口に滑り込んできて、温かくて湿った感触が脳を溶かした。


あぁ、もう、死んでもいいか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る