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儀式から数日後、ハヤテは謁見の間に公国全ての幹部と高位の貴族を招集し今後のリョウの立場と職業、扱いについて公開した。
「皆、忙しい所招集に応じて貰い感謝する。今日は第二公子リョウの授けられた職業の詳細説明と今後の立場をどうするかの公表を行う。」
元首ハヤテの最初の宣言が終わり、そばに控えていた宰相が一歩前に出て巻物を開き詳細を説明し始めた。
「第二公子リョウ・クオン殿下の職業は【ワンマンアーミー】。これは世界中の職業表を確認しましたが。発見出来なかった職業です。与えられたスキル群の詳細は公表できませんがスキル名に特級と表記されていた為、職業ランクは最上級を超えていると思われます。よって我が公国は特級職として新たに職業表に記載して連邦職業管理庁へ提出しました。」
謁見の間の全ての者が驚きを表し騒めき出す。
その中、比較的落ち着いた様子のクオン公国2大公爵家の1人、ハヤテの兄カタナギ公爵が発言した。
「特級職?その職業は何が出来るのか分かっているのでしょうか?名前からして戦闘系の様に思えるが?」
「そう言った事を含めて説明して行きます。事の重大さを含め長くなりますが終わりまで発言はお控え下さいます様お願いします。全ての皆様にもお願いします。」
宰相と元首ハヤテの厳しい表情と雰囲気に全ての参加者が息を呑み込む。
「承知した、続くてくれ。」
「それでは職業の詳細ですが冒頭にも言った様にスキル群の詳細は明かせませんが戦闘系と生産系両方のスキルを大量に与えられており、ワンマンアーミーの言葉の意味通り1人で全ての事を賄える職業の様です。恐らく鍛えれば鍛える程巨大な戦力になるでしょう。そして昨今、世の中は平和の様に見えますが複数のダンジョンの深層化と魔獣の凶暴化。更にダンジョン以外の在野の魔獣も増加傾向に有る現状を鑑みて学園卒業後はリョウ殿下を巨籍降下では無く元首弟に即位させ、クオン公国内の要職を与えず自由に動ける様にして頂きます。」
この発表で今まで黙っていた者全てが憤慨してそれぞれ異論を唱えた。
「それではいきなり過ぎだ!3年後シンヤ殿下は即位していないのにそれを飛び越えてになるでは無いか!矛盾したまま権力を持たせるつもりか?」
「陛下の弟では無いのに元首弟はおかしく無いですか?」
などなど、確かに矛盾した立場への擁立にクオン公国内のパワーバランスを崩しかねない今回の処置には賛同する者は居ないだろう。
そんな意見は分かっているよとばかりにハヤテは自身の今後に言及した。
「皆、落ち着いてくれ。そう言った意見が出るのは重々承知していた。ただ、矛盾は生じない、追加の発表になるが3年後リョウが学園を卒業すると同時にわしは元首をシンヤに譲り退位する。」
平然と自身の退位を口にするハヤテにもう我慢出来ないとばかりにカタナギ公爵が王座に詰め寄る。
「何を馬鹿な事を言ってるんだ!その歳で早々に退位するなんて他の連邦各国も黙っていないぞ、バカモンが!!それに退位してから後は何をするんだ?楽隠居なんて馬鹿げた事は絶対させんぞ!?」
「わっはっは、兄者素に戻ってるぞ?勿論、楽隠居なんぞせんよ。わしとサラは冒険者として現役復帰してリョウのバックアップに周る。退位してから職業がどうなるかでも変わるがね。もし、元の【拳聖】に戻ってくれれば嬉しいんだがな。」
「お前が野に下ってどうするんだ・・・と言う事はリョウも冒険者として活動させるつもりか?」
「わしもリョウも公家に籍を置きつつだがな。シンヤも来月には嫁を迎えるし時を置かずに側室も迎える予定だ。それでも万が一を考えてリョウには継承権を残したいんだ。」
「そこまで深刻な事が起きると想定しているのか?」
「そうだ、5年前からイレギュラーな事が多すぎる。リョウの事を抜きにしてもな、まるで人類の進化を無理矢理進めて大きな混乱に対処できる様にするかの如な。」
この場に居る全ての者が2人の会話を息を呑みながら今後、自分がどう立ち回れば良いか真剣に考えなければいけない局面に頭を悩ませていた。
そして動乱の時代は直ぐそこまでやって来ている。
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ようやく冒頭回が終わってストックがなくなりました。毎日更新はこの話で暫く終わりです。
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