カナダの事情

 カナダはアメリカ製兵器から脱却すべく、戦闘機はタイフーンを購入し、軍艦も、英連邦で関係の深いイギリスから、ガスタービンエンジンを購入し、新しく建造を開始した。

 潜水艦に関しては、イギリスに販売できる適当な通常動力艦がなく、ドイツ製の潜水艦が急遽発注された。

 米大統領はカナダに「51番目の州になれ、ならなければ関税を25%に上げる」と恫喝したが、カナダ国民はそれを受け入れるはずもなかった。

 そのせいでカナダは、北極海側、アメリカ側と、両側に軍を置かなければならず、それはカナダ国民の大きな負担となった。

 ロシアはその間も、カナダを挑発するように領空侵犯を繰り返した。

 カナダはタイフーン戦闘機を購入したが、日本と同じく発注しても届くまでに四年はかかり、欧州は欧州でロシアに対抗するため、タイフーンへのバックオーダーが多くなり、四年で届くかすら怪しい状況であった。

 しかしカナダは、NATOに加盟していたため、単独で中国から防衛することになった日本とは違い、欧州から割かれたNATOの航空・地上部隊が太平洋を渡り、展開した。

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