【連載版始めました❗️】「付き合いたいんだ!」と恋愛相談された学年一の美少女が、毎日俺と通話してる隠れゲーマー女子だった
もかの
付き合いたいんだ……ッ!!
「高嶺の姫と付き合いたいんだ……ッ!!」
「はぁ……」
昼休み。宮田高校の食堂にて。
昼食を食べつつ、同じ1年生である
才色兼備、その他この世のすべての『清楚』を詰め込んだかのような女子。
クラスメイトに自ら話しかけに行くことはなく、基本は自分の席で本を開いている。
そんな姿も、雑誌の撮影かと思うくらいに美しく、このバカ律が言っていたように周りからは『高嶺の姫』と囁かれている。
「なんだその『興味ねぇ……』みたいな返事!」
「残念。正確には『マジで興味ない』でした」
「さらに悪化だとっ!? 俺は真剣なのに……!」
律はうぇーん!と泣き真似をする。そんな様子を、箸で持ち上げたうどんを冷ますようにふーっと息を吹きかけながら眺める。
真剣って言われたって……ねぇ。
「玉砕した男子が何人いると思ってんだ……」
彼女の現実離れした美しさに初心な心を撃ち抜かれた男子が、律だけなわけがない。
現在9月。一学期が始まってからはまだ5ヶ月程度しか経っていない。
だというのに、七瀬さんへの告白人数──というか玉砕人数は30人を超えてると聞く。
最近は、「付き合える可能性を残したままでいよう……」と考える男子が増えてきて、告白する男子が減ってきたらしい。
「うっ……そんなこと分かってるけど!! この恋心は抑えきれないんだっ!!」
「抑えた方がお前のためだろ」
「辛辣すぎる。でもその通りすぎる」
律はガクッと項垂れる。
こいつ、動きで分かりやすすぎるって。
「ってか、
「いや、そんな軽々しく人生のパートナーになるかもしれない相手を決めたくねぇよ」
「お前聖人すぎるって。良く言えばヘタレ」
「悪く言ってんだろ、それ」
ツッコミつつ、
スープだとしても残したくない派なので。
「さ、帰るか」
「おい待ってくれよー! もうちょっと俺の相談に乗ってくれよーっ!」
「あきらめろ」
「5文字の解答。ふっでも、俺の『高嶺の姫』への恋心は止められないぜ!」
「なら相談要らないじゃん」
聞こえていないであろうが、食堂のおばちゃんに「ごちそうさまでした」と言い、流し台に食器を置く。
律も俺に続ける。
同じ教室への帰り道。
「そういや」
「ん?」
「七瀬さん。『高嶺の姫』って呼ばれるの好きじゃないらしいから止めとけ」
「マジ? それなら止めるわ……って、なんでお前が知ってんの?」
「……前に、風の噂で」
「なるへそ」
「ふっる」
「言うな」
◇ ◆ ◇
その日の夜。
『死ねええええええええ!!!!』
通話越しに1人の女子がえげつない暴言を吐いていた。
その対象は、今俺とともにプレイしているFPSゲーム『FLOW』で交戦中の敵に対してだ。
『これで──ッ! よし、やったああああ!! チャンピオンだー!!!』
「さっきものすごい暴言吐いてましたが」
『──こほんっ! 湊くん、なんのことですか? 私は暴言なんてそんな……言わないですよ』
プレイ中とは打って変わって、透き通るような綺麗な声で答えた。
いわゆる天使モード。同級生で言う『高嶺の姫』モード。
通話越しに「死ねええええええ!!」と言っていたのは、昼休みに律と噂した七瀬美怜さんだ。
表では清楚でお淑やかな超絶美少女だが、その実、裏では感情的になりすぎる生粋のオタクゲーマーなのだ。
「そういえば、今日俺の友達が七瀬さんのこと好きって言ってたぞ」
『いつも言ってるけど、私のことは『ななみれ』とか『みれちゃん』とかでいいって』
「なんでただの呼び捨てって選択肢が無いんだよ」
『それでなんだっけ。また告白? 私恋愛に興味ないのに?』
七瀬さんとこうして毎日通話しながらゲームするようになったのは5月。
その頃から七瀬さんはずっと「恋愛なんなん」って言ってたのだ。
告白してた男子たち、ほんとに可哀想すぎる。
「興味ないってこと、絶対学校で言うなよ?」
『あー、はいはいいつもの理由ね』
「うむ。今まで告白してきた男子が落胆のあまり何するかわかんねぇ」
玉砕すると分かっていても告白するくらい覚悟した狂戦士どもが何するかとか、想像できないし想像したくもない。
『一緒にゲームしてくれる湊くんがいるだけで、もういいのに』
即ミュートにして、バレないように咳き込む。
七瀬さん、恋愛に興味が無さすぎるせいなのか、最近無自覚にこういうことを何気ないタイミングで呟くようになったのだ。
心臓に悪いことこの上ない……。
これまでの俺なら「はいはいそうですねー」と答えていた。
でも、なぜか七瀬さんにはドキッとしてしまう。
多分、好きになったんじゃないかなって思う。
律への『『高嶺の姫』のこと好きじゃない』という言葉も嘘じゃない。
俺が好きなのは、『七瀬美怜』という1人の女性なんだと思う。
ただ、告白とかをするつもりはない。だって──
『え、え、湊くんドキドキしちゃった? ねぇねぇ、惚れちゃう?』
出た。いつもこれだ。
こんな煽られて誰が頷くものか!
「誰が惚れるもんか。死ねとかいってるのに」
『えー、こんな美少女なのに?』
「自分で言うなよ……」
学校の男子がこの七瀬さんを知ったらどうなるものか……。
あいつら、『お淑やかで可愛い女性』=七瀬さんだもんな。
それに、七瀬さんは恋愛に興味ないんだし、悶々とするだけ無駄だよな。
「次の試合行くか」
『おっけー』
────一方その頃。
(惚れちゃって、くれないのかなぁ……こんだけ攻めてるのに)
《あとがき》
好評であれば長編化します。
「続きが気になる!」と思ってくださった方、よければ★★★をお願いします!
追記
たくさんの応援ありがとうございます。
連載版始めました。
https://kakuyomu.jp/works/16818792436067954882/episodes/16818792436068146488
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