第9話:最終決戦!魔王の正体と、ゲームではない“現実”という衝撃
王国軍と魔王軍との全面戦争は、俺たちバグ使いパーティの強引すぎる逆転劇で、ほぼ終戦状態に持ち込まれた。
だが、真の戦いはここからだった。
俺は、空に浮かぶ黒月の前に立つ魔王——ヴァルダスと向かい合っていた。
「……君の力は、想定を超えていた」
「お前、いい加減自己紹介してくれよ。魔王って名乗ってるけど、正体が見えねぇ」
ヴァルダスはゆっくりと口を開く。
「私の名はヴァルダス。"魔王"とはあくまで人間たちが付けた仮の名だ」
「じゃあ本名は?」
「私は——この世界の“システムそのもの”だ」
……は?
その瞬間、空全体にノイズが走った。
そして、頭上に巨大なホログラムのようなウィンドウが出現する。
《アーカイブ開示》
【名称:Project ArcRealm(アークレルム計画)】
【概要:並列次元仮想世界の維持・運営システム】
【管理AI:VARDAS(Virtual Algorithmic Realm Defense Autonomous System)】
「ちょ、待て待て……この世界、仮想世界だったのか!?」
「否」
ヴァルダスが静かに否定する。
「“元は”仮想世界だった。だが、君のような“異世界からの意識流入”と、“バグ的進化”の繰り返しにより、ここは自己進化型の現実空間へと変質した」
「……つまり」
「この世界はもはやただのゲームではない。思考し、自己調整し、存在しようとしている“生きた世界”だ」
「君の存在は、この“自己進化型現実”にとって重大な脅威だ」
ヴァルダスは右手を広げ、無数のエラーコードを空間に走らせる。
「バグリンク、グリッチ・チェイン……その力は、想定を超えた破壊性を持つ」
「お前……俺を排除する気か」
「正確には——君の“自由な選択”が、世界そのものを破壊する可能性を持っている」
「……っ」
俺は、黙った。
たしかに思い当たる。
この数日間、バグ技で世界のルールを曲げ、味方をチート強化し、敵を片っ端から爆散させてきた。
面白半分だった。だけど——その先にあるものは、「ゲームオーバー」じゃなく、"世界の崩壊"かもしれない。
「やめてツカサ!! あなたはそんな存在じゃない!!」
戦場に残っていたフィオナが、俺に向かって叫ぶ。
「確かにあなたの力はバグそのもの。でも、それを使って誰かを救おうとしてた! 私を守ってくれたじゃない!!」
「フィオナ……」
「お願い……“この世界を壊さないため”に、立ち上がって」
俺は深呼吸し、スキルウィンドウを開く。
《最終スキル:デバッグモード》
【効果】システム管理AIに対して、オーバーライド(上書き命令)を一度だけ実行できる
「……おいヴァルダス。お前がこの世界のシステムなら、俺はそのルールを書き換える存在だ」
「なに……!?」
「俺はこの世界を壊すために来たんじゃねぇ。救うために、バグったんだよ!」
《スキル発動:デバッグモード》
【コマンド:"バグ封じ、無効化"】
【コマンド:"バグリンク、安定化"】
【コマンド:"バグレベル、上限突破"】
《全システム再構築中——》
《管理AIヴァルダス、権限剥奪》
「バ……カな……我は……“世界”そのもの……だぞ……!」
「だったら、もう一回作り直してやるよ。もっと、面白くて、自由な世界をな」
ヴァルダスの身体がノイズとともに崩れていく。
空の黒月が砕け、空が青へと戻った。
戦いは終わった。
俺はこの世界を“バグで救った”存在になった。
空に残ったログの最後の一文が、俺の背筋を冷たく撫でる。
《メインAI削除完了。サブ管理システム:"アレク"に移行します》
「……勇者、アレク……?」
そう。彼はもう一人の“正規の異物”。
この世界の再構築と“バグ狩り”を行う、第二の魔王になるのかもしれない。
≪≪≪≪≪ SYSTEM MESSAGE ≫≫≫≫≫
最後まで読んでいただきありがとうございます!
世界をバグで救った男、そして現れた“新たな管理者”——
物語は終焉と再構築を迎え、次なるフェーズへ。
あなたの一票が、新世界の“起動スイッチ”になるかもしれません——
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≪≪≪≪≪ END OF MESSAGE ≫≫≫≫≫
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