第31話

キャッキャしている美緒、そんな美緒を見ながら顔を綻ばせている疾風、相変わらず緩そうな麗、携帯を見ながらため息を吐いている奏弥。



そして立ち尽くすあたし。




ここ、入らないとだめ?既に嫌なんだけど。






あたしの気持ちを知ってか知らずか



「茉依ちゃん!行こっ!」



ニコニコと笑ながら手を引いてくる美緒にちょっと苛つくけど、仕方ない。覚悟を決めようか。行きたくないけど。嫌だけど。







何でこんなことになったんだろう。美緒を助けたことを後悔してないけどこうなるってわかってたから絶対助けなかったのに。



なんて薄情な事を思ってしまったあたしをどうか許してください。それぐらいに嫌なんです。






引かれるままエレベーターに乗り上へと上がっていく数字を見る。




・・・・どこまで上がっていくの。




ポーンと鳴る音と同時に止まったエレベーターの階数を見ると、18とでていて。



18!?思わず二度見してしまった。

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